サービス・プロダクト概要
「TouchPoint+」は、NFC(近距離無線通信)技術を活用し、スマートフォンをかざすだけでポイントを獲得し、貯まったポイントをクーポンに交換して活用できる仕組みを提供するアプリです。従来のポイントサービスとは異なり、「購入」を前提とせず、「行動」によってポイントを得られるという新しい仕組みを導入している点が特徴です。
サービスの課題
ポイントシステムを導入する際に以下のような課題があります。
- 企業側の導入ハードル:ポイントアプリを導入するためには、アプリそのものの開発に加え、ユーザーの会員情報を管理するための認証基盤やデータベースの構築が必要となります。初期開発コストは多く必要で、保守・運用の負担も発生します。
- ユーザー側の登録ハードル:会員登録の煩雑さによってポイントシステムが利用されない場合があります。従来のアプリでは、名前、メールアドレス、パスワードなどの入力が求められるので、これが面倒と感じられ離脱につながるケースが多いです。
提案したアプローチ
課題に対して、以下のような考えのもとアプローチを実施しました。
- LIFF(LINE Front-end Framework)アプリを利用する。
- ユーザーはLINEアカウントを使ってログインできるため、会員登録の手間を大幅に軽減できます。すでに多くのユーザーが日常的に使用しているLINEプラットフォーム上で動作するため、初期アクセスの心理的ハードルが低く、ユーザー獲得率が向上しやすい。
- ユーザー認証(LINEログイン)、プロフィール情報取得、メッセージ送信などがLINEのAPIで簡単に実装可能なため、独自に認証・通知基盤などを構築するコストも抑えられる可能性が高いです。
- NFCタッチをきっかけにポイントを付与する仕組みを導入する。
- ユーザーに「その場所に行かないと得られない特別な体験」を提供することができます。
- たとえば、店舗やイベント会場など、特定のロケーションでのみポイントを取得できるようにすることで、実際に足を運ぶ動機づけになります。
- 「自分のスマートフォンを使ってNFCタグにタッチする」ことでポイントを付与する。
- 他人の端末や代理でのポイントの不正取得を防止しつつ、ユーザーごとの行動データを正確に収集することも可能です。
主な機能
・ユーザーがミート株式会社のNFCシートをタッチポイントとして、ポイントの付与や利用を可能にするLIFFアプリを実現
・ポイント付与
ユーザーはNFCをタッチして取得したLIFF URLにアクセスすると、LIFFアプリが起動し自動でポイントが付与される。※初回はLINE公式アカウントの友だち追加が必要
・ポイント利用
ユーザーは貯めたポイントを店舗などに設置しているNFCをタッチして表示されるクーポンと引き換えることができる。また、地域別でクーポンを検索することもできる(現在地でフィルタリングすることも可能)。
・運営者は管理画面からクーポン作成、ポイント付与/利用の履歴確認、設置するNFCの管理ができるウェブアプリを実現
・クーポン作成
LIFFアプリのクーポン一覧に表示させるクーポンの情報(エリア、クーポン名、交換マイル数、有効期限など)を登録する。
・ポイント履歴
ユーザーがポイントを付与・利用した履歴を一覧で確認することができる。CSV出力機能によってユーザーの行動分析が可能。
・LINEリッチメニュー作成及びLINE上でやりとりができるお問い合わせフローを実現
Flex messageやクイックリプライ機能で、問合せ種別ごとの自動返信に対応。
アプリ活用例
「TouchPoint+」の最大の特長は、NFCタグを活用することで、簡単にポイントを獲得できることです。この技術を活用して、多様なシチュエーションでの応用が可能です。
① 配車サービスの車内にNFCタグを設置
活用方法の一つとして、配車サービスの車内にNFCタグを設置する案を検討しています。
乗車/降車時にNFCをタッチしてポイント獲得、貯まったポイントで提携施設のクーポンと引き換える仕組みを作ることで、ユーザーの行動の動機づけとなり、地域活性化が期待できます。
また、ユーザーの行動データを取得できるので、観光協会や自治体、提携施設がマーケティングに活用することも可能です。
② 商業施設やイベント会場にNFCタグを設置
イベントや商業施設との連携にも適用可能です。特に、展示会やフェス、ショッピングモールなどの大規模な施設では、チェックインポイントを設けることで、回遊促進やエンゲージメント向上につながります。
会場内や施設内の各ブースでタッチしてもらうことでポイントを付与し、獲得したポイントで限定特典と引き換えることができます。報酬を明確にすることでユーザーの参加意欲を高め、イベントを盛り上げる手段としても期待できます。
より詳しい活用方法はこちらのブログをチェック
今後の展望
「TouchPoint+」は現在、他サービスと連携して価値を発揮していますが、今後はインバウンド市場での活用を強化し、単体で成立するサービスを目指しています。
NFCタグを活用し、観光地ごとの特典やデジタルコンテンツを提供することで、「どこへ行けばいいか分からない」「情報が分散している」といった旅行者の課題を解消し、観光地への訪問動機を創出できます。
また、定番エリアに集中しがちな観光動線を分散させ、地域活性化にも繋げることが期待できます。
NFCによる行動データの収集やLINE配信などを通じて、企業や自治体による効果的なプロモーションや観光施策の立案も支援を可能にし、今後は地方自治体や企業との連携を拡大し、日本の観光産業の発展に貢献するプロダクトにしていく予定です。
初期開発工数
・約4ヶ月
・合計人月:5.5人月
開発体制
・国内開発
役割 | アサイン割合(平均) |
ディレクター | 1.75人月 |
デザイナー | 0.8人月 |
エンジニア | 2.9人月 |