クロスプラットフォームとは?メリット・主要ツール・事例を紹介
「クロスプラットフォーム」という言葉を聞いて、このような疑問を持ったことはありませんか?
「クロスプラットフォームって、どんな仕組み?」
「ネイティブアプリとの違いがよくわからない…」
「自社でアプリを作るなら、クロスプラットフォームを選ぶべき?」
クロスプラットフォームとは、1つのプログラムで複数のプラットフォームで動作するアプリを開発する手法です。
多様なプラットフォームに対応できるアプリ開発が求められるようになった近年、多くのエンジニアから注目されています。
本記事では、クロスプラットフォームの特徴や、メリット・デメリット、主要な開発フレームワークなどを解説します。
クロスプラットフォーム導入のポイントや活用事例もあわせて紹介するので、アプリ開発を検討されている方はぜひ参考にしてください。
目次
クロスプラットフォームとは
クロスプラットフォームの特徴
クロスプラットフォームとは、「ひとつのコードベースで複数のプラットフォームに対応できるアプリ開発手法」です。
従来は、「iOSアプリはSwift言語」「AndroidアプリはKotlin言語」と、個別にアプリ開発する手法(ネイティブアプリ開発)が一般的でした。
しかし、クロスプラットフォーム技術の進歩により、JavaScriptやDart、C#などの言語によるひとつのコードから、各プラットフォームで動作するアプリを開発できるようになっています。
クロスプラットフォーム開発ならば、開発工数やコストを大幅に削減できるのが大きな魅力です。
ネイティブアプリ開発との違い
| クロスプラットフォーム開発 | ネイティブアプリ開発 | |
| 開発手法 | ひとつのコードで複数OSに対応 | 各OSごとに開発 |
| 開発コスト | 人件費の削減や開発期間の短縮をしやすい | 複数OSに対応すると高くなりやすい |
| UI・UXの自由度 | 高度なグラフィックや複雑な描写は、調整が難しい | OSの機能を活用した高いカスタマイズ性 |
| パフォーマンス | 処理速度が劣るケースがある | ハードウェアに最適化しやすい |
| メンテナンス | 一元管理しやすい | 各プラットフォーム別に必要 |
ネイティブアプリ開発は、細かなUI調整や高いパフォーマンスが求められるケースに向いています。
一方、コストや開発スピード、保守の一元化を重視したい場合は、クロスプラットフォーム開発が有効です。
クロスプラットフォームのメリット・デメリット
クロスプラットフォームのメリット・デメリットは、以下の通りです。
クロスプラットフォームの4つのメリット
- 開発コストの削減
同じコードを使って複数OSに対応できるため、開発・保守にかかる工数が少なく済みます。 - 市場投入までのスピードが早い
一度に複数のプラットフォームへ展開できるため、開発期間を短縮できます。 - 一貫したUIの提供
全OSで似たような操作性・デザインのアプリを提供しやすく、ユーザーの混乱を避けられます。 - エンジニアの学習コストが低い
汎用的な言語やフレームワークを使うことで、社内の開発体制を構築しやすくなります。
クロスプラットフォームの4つのデメリット
- ネイティブ並みのパフォーマンスを出しづらい
ゲームや複雑なアニメーション、センサー制御などが必要なアプリではパフォーマンスが課題になります。 - OS独自機能にアクセスしにくい
Face IDやARKitなど、iOSやAndroidの独自機能を活用する際に追加実装が必要になる場合があります。 - ツールの習熟が必要
FlutterやReact Nativeなど、独自の設計思想に慣れるまでに時間がかかることがあります。
バージョン依存リスク
フレームワークのアップデートにより、既存のコードでは動作しなくなる可能性があります。
クロスプラットフォームの種類
クロスプラットフォームは、UI描画の仕組みによって以下のように分類されます。
- ネイティブ型
- ハイブリッド型
- 独自レンダラ型
・高いパフォーマンス
・Xamarin
・Web技術で開発可能
・ネイティブに比べ処理速度が遅い
・Cordova
・Capacitor
・独自エンジンによる高速描画
・Unity
それぞれの特徴を一覧表にまとめました。
近年では、独自レンダラ型の「Flutter」が、パフォーマンスとデザインの自由度の高さから、よく利用されています。
クロスプラットフォームに使われるフレームワーク4選
ここでは、クロスプラットフォーム開発の代表的なフレームワーク4選を紹介します。
フレームワークは、開発するアプリの用途や求める機能性によって慎重に選定するのが重要です。
その他の主要ツールもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
①Flutter(フラッター)
Flutterは、Googleが開発・提供しているオープンソースのUIフレームワークです。
Dart(ダート)という独自のプログラミング言語を使用します。
Flutterの最大の特徴は、高いUI表現力とネイティブアプリに匹敵するパフォーマンスです。
独自のレンダリングエンジン「Skia」によって、プラットフォームによらず高精度のデザインを再現できます。
さらに、ホットリロード機能により、コード修正が即時にアプリへ反映されるため、高い開発効率を誇ります。
2018年の正式リリース以降、急速に人気を伸ばし、近年ではモバイルアプリだけでなく、Webアプリやデスクトップアプリ(Windows・macOS・Linux)にも対応できるようになりました。
「マルチプラットフォーム開発の統一基盤」として、スタートアップから大企業まで世界中で幅広く導入されています。
Flutterの特徴
- 豊富なUIコンポーネントで、高度なデザイン再現が可能
- Googleによるアップデートとサポート
- モバイル・Web・デスクトップに対応
- ホットリロード機能で開発スピードが早い
👉Flutterについて、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
「Flutterとは?初心者向けに特徴・メリット・事例を徹底解説」
②React Native(リアクトネイティブ)
React Nativeは、Meta(旧Facebook)が公開したクロスプラットフォーム開発フレームワークです。
React Nativeの特徴は、JavaScriptからネイティブコンポーネントを呼び出す「ブリッジ構造」です。
これにより、アプリのUIがネイティブとして描画されるため、HTMLベースのハイブリッドアプリと比べて高い操作性・パフォーマンスを実現できます。
FacebookやInstagram、Uber Eatsなどの人気アプリにも使用されており、信頼性や実績がともに高いフレームワークです。
また、JavaScriptを扱うWebエンジニアが比較的短期間で学習・移行しやすいため、導入のハードルも低めです。
React Nativeの特徴
- JavaScriptで開発できるため、Webエンジニアが多い企業に支持される
- 多くのOSSライブラリや開発者コミュニティが存在する
- アプリの一部だけReact Nativeで構築できる
- FacebookやInstagramなど大手による運用実績あり
③.NET MAUI(ドットネット マウイ)
.NET MAUIは、Microsoftが提供するクロスプラットフォーム開発フレームワークです。
2024年にサポートが終了した「Xamarin(ザマリン)」の後継として使用されています。
C#と.NETを使用して、iOS・Android・Windows・macOSアプリを1つのコードベースで開発できます。
Visual Studioと統合されているため、Microsoft製品に馴染みのある開発者に扱いやすい開発ツールです。
従来のXamarinでは「Xamarin.Native」と「Xamarin.Forms」という2つのアプローチがありましたが、.NET MAUIではこれが一本化されました。
洗練されたプロジェクト構造で、UIとロジックを一括管理できるため、Xamarinよりも開発スピードとメンテナンス性が大きく向上しています。
.NET MAUI特徴
- C#や.NETのコードで、iOSやAndroidに加え、Windows・macOSに対応
- Visual Studioと統合した開発環境で、高機能なIDEによる補完機能やデバッグ機能が利用可能
- Windowsアプリや業務系アプリとの親和性が高い
- エンタープライズ領域での導入実績が豊富
④Unity(ユニティ)
Unityは、ゲーム開発における代表的なクロスプラットフォームエンジンです。
近年では、エンタメ系アプリをはじめ、教育・建築・医療・製造業向けの3Dアプリなどの開発にも活用されるようになっています。
言語にはC#を使用し、Unityエディター上でリアルタイムに確認しながら設計を進められます。
2D・3Dを問わずビジュアル・グラフィック表現に強く、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)との連携も得意です。
iOS・Androidだけでなく、WebGLやPlayStation、Xboxなど多様なプラットフォームに出力できます。
Unityの特徴
- 2D・3D、AR・VRなどの精細なグラフィック表現を求められるアプリに最適
- ゲームやエンタメをはじめ、教育・建築・医療・製造業向けアプリにも対応可能
- 多様なマルチプラットフォーム出力
その他の主要ツール
- Ionic:Web技術をベースにモバイルアプリを構築
- Cordova:WebViewを通じてアプリを実装
- NativeScript:ネイティブAPIに直接アクセス可能
クロスプラットフォーム開発のポイント
クロスプラットフォーム開発を進める際は、以下のポイントを把握しておくと良いでしょう。
クロスプラットフォーム導入を検討する際の注意点
- ターゲットユーザーのOS比率を把握する
- 必要な機能がクロスプラットフォームで実現可能かを事前に検討する
- メンテナンス・アップデート体制を確認する
開発パートナーの選び方
- クロスプラットフォームの知見が豊富か
- 過去の実績や対応可能な技術要件がアプリの目的にあっているか
- コミュニケーションやアジャイル開発が円滑に行えるか
- 運用・改善まで、長期的に付き合えるか
クロスプラットフォームの活用事例
- Alibaba
Flutterでパフォーマンスの高いショッピングアプリを開発 - Instagram
React Nativeで一部機能を開発し、開発スピードを向上 - Enlyt(弊社)
Flutterを用いた予約管理アプリ、ポイントアプリなど、開発実績多数
詳細は開発実績ページをご覧ください
まとめ
本記事では、クロスプラットフォームの特徴や、メリット・デメリット、主要な開発フレームワークなどを解説しました。
クロスプラットフォームは、「複数プラットフォームに素早く対応したい」「開発コストを抑えたい」といったニーズに最適な開発手法です。
そのため、アプリ開発におけるコストやスピードの課題を解決する選択肢として、年々注目度が高まっています。
株式会社Enlytは、国内開発とベトナムでのオフショア開発で、これまで50件以上の開発プロジェクトを手がけてきました。
また、Flutterをはじめとするクロスプラットフォーム開発においても高い実績を誇ります。
ハイブリットな開発体制を活かして、お客様のご要望に合わせた提案をいたします。
アプリ開発をご検討の際は、株式会社Enlytまでぜひご相談ください。
お客様と一緒にアイデアを形にし、最適な形でサービス化いたします。




