アプリ開発の外注費用はどれくらい?費用相場やコストの内訳について解説
近年、様々な企業がスマートフォン向けのアプリを利用したサービスを次々と展開しています。そのような流れの中、自社でもアプリを活用したサービスを展開したいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、自社にはアプリを開発できるプログラマーやエンジニアがおらず、システム開発会社に外注せざるを得ない場合があるかと思います。
そんな中、アプリ開発についてこんなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
- アプリ開発にどれくらいの費用が必要なのかがわからない
- アプリ開発を依頼したいけど相場やコスト内訳を知りたい
- アプリのリリース後の保守運用費用が気になる
上記のような疑問や不安にお応えしていきます。
この記事を読めばこれがわかる!
☑️ アプリ開発の外注する際の費用相場 ☑️ アプリ開発の外注にかかるコストの内訳 ☑️ アプリをリリースした後の保守運用費用
目次
アプリ開発の外注費用の算出方法
まずはアプリ開発の費用がどのように決まるかについてみていきましょう。
開発費用の算出方法を知るには、前提としてアプリ開発の流れを理解する必要があります。
アプリ開発は下記の工程で行われます。
当記事では、要件定義と開発の2フェーズの費用を「アプリ開発費用」と定義します。
アプリ開発の外注費用は「人件費」と「諸経費」の合計
アプリ開発費用の内訳は「人件費」と「諸経費」を合わせたものが基本です。人件費とは、アプリを開発するためのプログラマーやエンジニアなどといった開発人員や工数の費用を指します。諸経費はサーバーの費用、ソフトウェアライセンス費用、「App Store」「Google Play」といったアプリストアへの登録費用などが含まれます。遠方から来られる場合は、交通費も「諸経費」に含める場合もあります。
種類 | 主な内容 |
人件費 | エンジニア・プログラマーの費用・プロジェクトリーダーの管理費など |
諸経費 | エンジニア・プログラマーが使う開発用のパソコン費用・サーバーの構築費・ライセンスの利用料・交通費など |
アプリ開発費用のうち、大部分が「人件費」を占めることが一般的です。
人件費は開発費と管理費の2点で構成される
人件費には大きく分けて以下の2種類に分類することができます。
- エンジニアやプログラマーの開発費
- プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーの管理費
エンジニアやプログラマーの開発費は、プロジェクト参画人数と一人当たりの単価、開発期間も3つの要素を使って計算することが一般的です。
- 開発費=プロジェクト参画人数×一人あたりの単価×開発期間
各要素の内訳については「アプリ開発のコスト内訳」でご紹介します。
開発プロジェクトには必ずチームを取りまとめるプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーと呼ばれる管理者がいます。プロジェクトを成功に導くためにチーム内外の調整業務や管理業務が必要であるため、それらの費用が「管理費」として計上されます。通常、管理費は開発費の10~20%です。
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アプリ開発の外注費用相場をジャンル・機能別に解説!
ここからはアプリ開発の費用相場をジャンル、機能、開発手法(型)の3つの観点でそれぞれをご紹介します。
【ジャンル別】アプリ開発の外注費用相場
アプリの費用は実装する内容によって変動します。ご参考までに各ジャンルの一般的なアプリの開発費用についてご紹介します。
ジャンル | 開発費用の相場 |
ゲーム系 | 300万円~3700万円 |
EC・ショッピング系 | 100万円~3700万円 |
SNS位置情報系 | 500万円~1000万円 |
通話・メッセージアプリ系 | 100万円~500万円 |
カタログ・フリーペーパー系 | 50万円~100万円 |
なお、ここで紹介しているアプリの相場はあくまで参考程度でご覧ください。例えば、ゲーム系といっても3Dや拡張現実(AR)を用いた技術を使用したアプリとそうでないアプリとでは開発の難易度が変わりますので、開発費用も大きく変動する要素があります。
傾向としては、3Dなどの複雑な画像処理や基幹システムなどの連携が必要なアプリについては難易度が高い分、費用が上がる傾向にあると言えるでしょう。
【機能別】アプリ開発の外注費用相場
アプリを構築するには様々な機能を組み合わせる必要があります。ここでは各機能の開発費用の相場をまとめています。
記載している機能の費用相場はあくまで参考値ですので、精緻な費用を把握したい場合は、要件定義を行ったうえで開発見積を取得するようにしましょう。
アプリの機能 | 機能説明 | 開発費用相場 |
ログイン機能 | IDとパスワードを入力したり、SNSのアカウントと紐づけたりして、アプリにアクセス可能な権限のあるユーザーのみを認証する機能 | 10万円~ 40万円 |
決済機能 | 決済機能は物やサービスをアプリから購入できるよう、クレジットカードなどの情報を入力して物やサービスが購入できる仕組み | 20万円~ 50万円 |
プッシュ通知 機能 | アプリからスマートフォンの通知機能を通じてメッセージを送り、ユーザーにお知らせを届ける機能 | 10万円~ 100万円 |
SNSとの連携 | アプリで保持している情報をSNSに通じて共有する機能 | 5万円~ |
位置情報機能 | スマートフォンの現在位置をアプリ内の地図上に表示したり、アプリ内の住所欄に現在地を取り込んで自動入力したりといった位置情報を用いた機能 | 10万円~ 10万円 |
ナビゲーション機能 | アプリ内の地図上に現在位置から特定の目的地までの経路を示す機能 | 10万円~ 25万円 |
メッセージ・ チャット機能 | アプリ内でチャットやメッセージを送る機能 | 20万円~ 40万円 |
縦・横の 表示切替機能 | スマートフォンを縦横に傾けると自動的に画面のレイアウトを調整する機能 | 5万円~ 10万円 |
ユーザーの会員データ管理機能 | アプリの利用者の会員データを管理するための機能 | 50万円~ 100万円 |
【開発手法(型)別】アプリ開発の外注費用相場
同じ内容のアプリであっても開発手法によって異なります。
開発手法 | 開発費用の相場 |
ノーコード開発 | 3万円~10万円 |
ローコード開発 | 100万円~1000万円 |
フルスクラッチ開発 | 1000万円以上 |
ノーコード開発はプログラミングをすることなく、あらかじめ用意された部品・テンプレートをマウス操作などで組み合わせるだけでアプリを構築する手法です。
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【関連記事】今話題のノーコード開発!事例とともに徹底解説
ローコード開発は既に機能が用意されているパッケージをカスタマイズし、独自アプリとしてリリースする手法です。フルスクラッチ開発はパッケージを使わずにゼロからアプリを構築することを意味します。
開発費用はノーコード開発→ローコード開発→フルスクラッチ開発の順に費用が高くなっていきます。これは必要なエンジニアの数が増えたり、開発工期が長くなるためです。
アプリ開発の外注にかかるコスト内訳
次に、アプリ開発費用やリリース後にかかるランニングコスト含めて詳しく解説します。
アプリを開発するための工数と期間
前述のとおり、アプリ開発の費用を算出するための要素の一つとして「人数」が重要です。
「人数」は実際にプロジェクトに携わるメンバーの数です。開発するために必要な1か月あたりの人員数を「人月(にんげつ)」、1日あたりの人員数を「人日(にんにち)」とそれぞれ呼びます。システム開発では20日間を1か月、一日を8時間で計算することが一般的です。例えば、あるアプリを20日間で作る必要があり、2名がまるまるアプリ開発作業を行えば開発作業が完了する規模である場合、「2人月」と表現されます。メンバーの中にはプロジェクトを掛け持ちなどをしているなど、1か月のうち半月(10日)程度しか参画できないケースもあります。その場合は「0.5人日」と小数を用いて表現されます。
プログラマー・エンジニアの一人当たりの単価
「一人当たりの単価」とは、一か月(20日間)あたりの人件費を「人月単価」、一日(8時間)あたりの人件費を「人日単価」と呼ばれます。大規模な開発プロジェクトであれば「人月単価」、比較的規模の小さな案件であれば「人日単価」で計算することが多いです。「一人当たりの単価」は役割やスキル、所属する開発会社によって変動するため、一概には決まらないですが、一般的には下記が日本人の費用相場です。
要員 | 人月単価 |
プログラマー(中小企業、個人、若手、 オフショア、ニアショア) | 40万円~70万円 |
プログラマー(大手社員、中堅以上) | 50万円~100万円 |
システムエンジニア初級 | 70万円~100万円 |
システムエンジニア中級 | 90万円~120万円 |
システムエンジニア上級 | 100万円~180万円 |
プログラマーはエンジニアが書いた設計書を基にコードを書くことが主な仕事です。また、プログラムの修正作業も担当します。エンジニアは、システム開発工程において要件定義、設計、運用運用までの一連の業務を担い、業務範囲はプログラマーよりも広いです。
画面デザイン費用
アプリを開発する際、アプリ開発会社側では画面デザインのノウハウがない場合があるため、別途アプリのデザインを行う企業にお願いする場合があります。アプリは使い勝手や視認性の良さでユーザーの満足度が左右されるため、UI/UXを加味する必要があります。
そのため、要件定義のタイミングでデザイン会社にアプリのデザインを依頼して、デザインを決める必要があります。デザインの作業も人件費と作業期間の乗算で費用が決まります。相場は月額80万円~100万円です。
運用保守費用
アプリのリリース後は運用保守フェーズに移行します。運用保守フェーズでは開発されたアプリが常時、正常に動作することを監視、運用します。例えば、アプリの利用者が急激に増加した影響でサーバーの負荷が高くなり、画面表示が遅くなるなどといった問題が生じた場合、運用保守を担うメンバーがサーバーのスペックを上げるなどといった対処を実施します。
そのため、アプリを維持するための運用保守を担うメンバーを配備する必要があります。運用保守費用の相場は、年間開発コストの約20%程度が一般的です。
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【関連記事】アプリのリリース後にかかる保守費用とは?知っておくべき保守費用の相場について解説!
OSのアップデートに対する改修費用
iOSとAndroidの2つのOSは定期的にアップデートが発生します。アップデートに伴い、既にリリースされたアプリが最新のOSのバージョン上で正常に動作するのかについて検証が必要になる場合があります。iOSとAndroidは別のOSであるためそれぞれのOSに対してテストが必要になります。
特に、プッシュ通知やカメラ機能などOSに依存している機能については重点的に確認が必要です。
アプリの複雑さやOSアップデートが必要なった機能の改修などにもよりますが、一般的には1か月あたり10万円~20万円です。
ソフトウェアのライセンス費用
アプリ開発でパッケージ製品などを利用している場合、ソフトウェアの定期ライセンス費用が請求されるケースがあります。1年に1回更新の年間ライセンスが一般的です。
クラウドの利用料
近年はクラウド事業者のサーバー上でアプリを構築するケースが増えています。クラウドを利用することでサーバーをゼロから設置する費用は掛かりませんが、代わりにクラウドの利用料が従量課金制でかかります。月額で請求されることが一般的です。
クラウドを利用することで初期開発コストを抑えることはできますが、クラウド上のサーバーのスペックを上げると利用料も比例して高くなりますので、ランニングコストが増加していくことになりますので注意が必要です。
まとめ
アプリ開発に必要な費用は「人件費」と「諸経費」で決まります。人件費は開発費と管理費に分類され、開発費は「プロジェクト参画人数×一人あたりの単価×開発期間」で求められ、管理費は開発費全体の10~20%が一般的だとされています。
アプリ開発に必要な費用相場は構築したいアプリの仕様により大きく変動しますが、およそ数百万~数千万円の範囲で作成が可能です。具体的な費用については、一度アプリの開発を担うことのできる開発会社に作成したいアプリを伝え、見積もりを入手するとよいでしょう。
アプリ開発の外注にかかるコストの内訳は、大きく分けて初期開発の費用とランニングコストの2種類に分類されます。
- 初期開発費用
・アプリを開発するための工数と期間
・プログラマー・エンジニアの一人当たりの単価
・画面デザイン費用 など
- ランニングコスト
・運用保守費用
・OSのアップデートに対する改修費用
・ソフトウェアのライセンス費用
・クラウドの利用料 など
アプリを開発する場合、開発会社から提示された見積もり金額が適正かどうかを判断することは難しいかもしれません。
アプリ開発は金額が安ければ良いわけでも無いため、納品の質も担保したアプリ開発費用のシミュレーションができるサービスを利用して平均相場との比較を行うこともおすすめします。
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