自社プロダクト パートナー開発 実績 会社概要 News Blog お問い合わせ 資料請求
自社プロダクト パートナー開発 実績 会社概要 News Blog お問い合わせ 資料請求
thumb image

【社長インタビュー】スタートアップとポストコロナ〜VUCA時代における不安との付き合い方〜

株式会社Enlyt代表取締役のTruong Dinh Hoang(以下ホアン)は、Enlytの起業前にも別のソフトウェア開発会社を起業、経営してきました。今回ホアンには起業に至った経緯や、コロナ禍中での操業を通して、不安との付き合い方について伺ってみました。

プロフィール紹介

名前: Truong Dinh Hoang(チュオン・ディン・ホアン)
年齢: 40歳(1980年生まれ) 
国籍: ベトナム(日本永住権保持者)
出身地: フエ市(19-20世紀にかけて存在した阮朝の首都に定められていたベトナム中部の都市)
学歴: ベトナムと日本の大学でコンピュータ・サイエンスと日本語を専攻

これまでの起業の経歴

インタビュアー:初めて起業したときのことをお伺いできますか?

私は日本の大学でコンピュータ・サイエンスと日本語を学んだ後、2005年から2013年の計8年間、日本のソフトウェア開発会社2社でエンジニアとして働いていました。当時は業務の傍ら、日本で見かける様々な人気サービスのベトナム版を作ってやろうという野心を持ち、休日返上でプログラミングに没頭していました。働いていた日本企業でのローンチも検討したのですが、最終的には自分でリスクを取ってやりたいと考え、退職してベトナムに帰国。日本で積み立てた資金を元に、南部の都市ホーチミン市で初めて起業しました。

インタビュアー:ソフトウェア開発といえば受託開発もありますが、1社目では自社サービスを作ろうとしていたんですね。

はい、当時も現在も、自分が考えたサービスを世の中に出したいという思いは変わりません。

ホーチミンで起業した時点で既にサービスはローンチしていたのですが、半年もたたないうちに思いもよらないことが起こります。サービス自体は日本にいたときから作っていたので日本のデータセンターにあるサーバを借りていたのですが、ある日突然サーバがダウンしてしまい、サービスが提供できなくなってしまいました。ただちに管理会社に問い合わせて対応を依頼したのですが、中々復旧せず、最終的には復旧できないという報告を謝罪とともに受け取りました。管理会社とはデータセンターにある複数の物理サーバを利用する契約を結んでいたのですが、その後の報告で、実は1台の物理サーバ内に仮想サーバを乱立させている状態だったため、物理サーバの高負荷でHDDが故障してしまい、更にはRAIDも組んでいなかったため全てのデータが永久に消滅してしまったことが判明したのでした。こちらとしては完全に被害者なのですが、とはいえどうすることもできませんでした。

全てを失ってしまったこの事件をきっかけに最初の会社を畳み、ベトナム中部の都市ダナン市で再スタートを切ることになります。

ビーチリゾートとしても世界的に有名なベトナム第三の都市ダナン

インタビュアー:最初から壮絶な経験をされたのですね。。ダナン市でもソフトウェア開発会社を立ち上げたのですか?

はい、ただ自社サービスを作り直す予算は先の件でなくなってしまったので、日本にいる知人からの引き合いで受託開発を始めました。受託開発は初めての試みでしたが、「お客さまのサービスを自社サービスのように」というスローガンを全社的に掲げ、お客様とともに心を込めてサービスを作っていくことでお客様と強い信頼関係を築くことができ、自分のサービス作りへの思いが伝わったのかなという実感の中で毎日がとても充実していました。

創業当初は10名のエンジニアを採用し、自宅を使ってサービスを開発しましたが、その後日本のソフトウェア開発会社との提携を経て、6年間で従業員350名の規模にまでスケールさせることができました。日本で培った経験を元に祖国のベトナムに貢献したいという思いがあったので、ダナン市で350名の雇用を生み出せたことはとても誇りに思っています。

その一方で、6年間経営する中で会社の組織化や受託開発の仕組み化も出来上がり、ある程度安定してきたため、自分としては少々刺激が足りなくなってきました(笑)

加えて、やはり自分で考えたサービスを世に出したいという思いも抑えられなくなり、2020年5月をもって2社目を新しい経営者に託して退職、翌7月に3社目となる株式会社Enlytを立ち上げました。

コロナ禍でのEnlyt創業

インタビュアー:Enlytを起業した2020年7月はコロナ第二波の真っ只中でした。今後の予測も難しい状況で起業に踏み切る不安は無かったのでしょうか。

もちろん不安はありました。ですが、私は不安というものにそこまでネガティブな印象を持っていません。不安とは、危険を事前に察知するために人間に備わった生存本能だと考えています。つまり危険を事前に察知できている分、不安を感じていない人より強い(優位に立てている)。事前に察知できているからこそ見えてくるチャンスもあります。

まあ実際は起業してしばらくは引き篭もって自社サービスの開発に集中していたので、コロナによる影響はほとんどなかったんですけどね(笑)

インタビュアー:確かにサービス開発は引き篭もってもできますが、その後それを売っていくフェーズはありますよね。コロナの影響がいつなくなるか見えない中で、セールス面でのリスクはどう捉えていたのでしょうか。

確かにセールスに対する懸念はありました。しかしコロナがいつ終息するかなど、誰にもわかりません。そして考えても仕方ないことをいつまでも考えるのは時間の無駄だと言えます。それよりも今できることにフォーカスし、その後は柔軟に対応することが肝心です。

事実としてわかることは、世界はまだ終わっていないということと、いま食べていかなくてはならないということ。今できることで雇用を生み出したり、開発したサービスで人の役にたつことができれば最高ですね。

株式会社Enlytでは「イケてるサービスしか作らない」ことを公言しています

先の見えない不安との付き合い方

インタビュアー:なるほど、不安という感情を認め、受け入れ、前進する力に変える一方で、どうにもならない部分は割り切りることも大切なんですね。

そうですね、どうせ不安になるのなら良い不安にしたいと思っています。

先が見えないなりに起こり得るシチュエーションをいくつか想定します。悪い状態になる予測も常に持っておき、それぞれに対するソリューションも複数用意します。その中でどれがベストな結果にたどり着けるか考える。

また、何が起きようとも良い面と悪い面は必ずあります。例えばコロナ流行前はセキュリティやコミュニケーションコストの観点からテレワークはあり得ない、といっていた企業もそうせざるを得ない状況に追い込まれたことで案外なんとかなるもんだと価値観が整理されていきました。テレワークの普及から生まれたビジネスも沢山ありました。起こったことは巻き戻せないので、そこから何を学ぶか、何が活かせるかを考える。

こんな風に今の状況をどうしたら乗り越えられるか考え抜くのはとても興奮しますね。

インタビュアー:ポジティブというか、タフな考え方ですよね。。ただ私自身も含め、中々そのようには考えられない人も少なくないと思います。VUCA(Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性))の時代と言われて久しい昨今、ポストコロナで先行きの見通しの悪さは増すばかりです。不安感との付き合い方について、誰でも実践できそうなアドバイスをいただけますでしょうか。

世の中の事象は、大きく3つに分けて考えることができると思います。1つ目は「自分のこと」、2つ目は「身の回りのこと」、3つ目は「世界のこと」。

インターネットが普及した現代では「世界のこと」を容易に知ることができます。一方で「世界のこと」ばかり考えても自分にできることはそう多くありません。結果、誰かが/何かが解決してくれるまで、あなたの不安は解消されないかもしれません。

「身の回りのこと」ばかり考える人にも同じことが言えます。例えば世間話が大好きな人ですね。他人のことは自分のことと違い、ほとんどコントロールできません。よって他人のことを気にしすぎる人達も、不安や不満を抱えがちになってしまうのです。考えても仕方のないことは考えないマインドが、ここでも必要になります。

まずは「自分のこと」にフォーカスしてみてください。不安に悩まされている人は「自分を幸せにできているか」「自分はやることやっているか」「自分は勉強しているか」「自分は何かに/誰かに貢献しているか」を自問してみましょう。

「自分のこと」に集中できて初めて「身の回りのこと」にも取り組めるようになります。今の仕事に真剣に取り組めていない人が、新しい事業で活躍できるとも思えませんよね。いま目の前の自分ごとに集中できていない人は、身の回りの変化にも対応できないものなのです。

インタビュアー:今できることに集中して取り組み、コントロールできる間合いを徐々に広げていくイメージでしょうか。。心がけてみたいと思います。

インタビューはビデオ会議を使ってリモートで行われました

スタートアップにジョインしたい人へ向けて

インタビュアー:ポストコロナにおいて、大企業で働くべきか、スタートアップで働くべきか、その答えはないのかもしれませんが、Enlytのようなスタートアップに興味を持っている方々へ向けてメッセージをお願いします。

これまで絶対になくならないと思われていた業界、企業がコロナという未曾有の危機の中で崩れかかっています。観光業界や航空会社などが主たるものでしょう。そんな先の見えないポストコロナで生き残っていくのは、柔軟に変化に適応し、自ら新しい世界を作っていくスタートアップであると確信しています。大きな企業では考えられないようなスピード感で判断、意思決定するため失敗することも多くありますが、その分早いサイクルで学び、成長していくことができます。組織にとっても個人にとっても、失敗から学ぶチャンスが沢山あることが、スタートアップの良さと言えるのではないでしょうか。

また、若いうちに、自分の人生に影響力のあるリーダーや、自分の夢と情熱を注いでくれるリーダーと出会えることが、その後のキャリアに良い影響を与えることは言うまでもありませんが、経営者との距離が近いスタートアップではその恩恵を多分に得ることができます。自分にあったスタートアップを探す際は、ぜひ経営者の人柄や持っている情熱、語る夢に注目してみてください。そしてもし縁があって私の考え方に共感いただけたその時は、ぜひ仲間になって一緒にイケてるサービスを世界に発信していきましょう!

インタビュアー:ありがとうございました。Enlytでは一緒にイケてるサービスを作る仲間を募集しています。話を聞いてみたい、一緒に働いてみたいなど、ご興味のある方はWantedlyの「話を聞きに行きたい」ボタンからお気軽にご連絡ください。

facebook twitter