iPhoneにNFC設定は不要!ビジネスで役立つNFC活用アイデア5選
「NFCってどうやって使う?」
「iPhoneにはNFC設定が必要?」
街中で「スマホをかざすだけ」の仕組みを目にすることが増え、このような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
タッチしたり、かざしたりするだけで情報を読み取る機能には、NFC(Near Field Communication:近距離無線通信)という技術が使われています。
本記事では、iPhoneでのNFC機能の基本的な使い方やビジネスシーンでのNFC活用方法などをわかりやすく解説します。
Enlytが提供するNFC活用事例も紹介しますので、NFCを活用したビジネス展開を検討されている方はぜひ参考にしてください。
目次
NFCとは?iPhoneで何ができる?
そもそもNFCってなに?
NFCとは「Near Field Communication(近距離無線通信)」の略称で、数cm~10cm程度の短い距離で双方向のデータ通信を可能にする無線通信技術です。
例えば、スマホやクレジットカードでのキャッシュレス決済や、Suicaを使った改札通過など、NFCによってさまざまな非接触通信が実現されています。
NFC技術の特徴は、以下の通りです。
- 端末やカードをかざすだけで通信可能
- NFCタグには電源不要で、総じて消費電力が低い
- 通信速度は高速ではないが、即時に情報のやりとりが可能
- 近い距離でしか通信しないため、セキュリティ性が高い
このように、NFCはかざすだけで通信できる利便性や、応答性、安全性などが高く、今日ではさまざまな用途に活用されるようになってきました。
iPhoneのNFC機能で何ができる?
iPhoneのNFC機能は、iPhone 7以降の全機種に搭載されています。
iPhoneで実際に使えるNFCの代表的な機能は以下の通りです。
1. Apple Payによる支払い
Apple PayやSuicaに代表される非接触決済は、iPhoneのNFC機能で最も身近な活用例と言えるでしょう。
Apple Payを利用すれば、レジでiPhoneをかざすだけで、クレジットカードや電子マネーによる決済が完了します。
利用の際にはFace ID/Touch IDによる認証が必要なため安全性も高く、タッチするだけで決済できる手軽さから、NFCでのキャッシュレス決済は広く普及しています。
2. 交通系ICカードとしての利用
iPhone 7以降のモデルでは、SuicaやPASMOなどの交通系ICカードをiPhoneに取り込めるようになり、タッチするだけで改札を通過できます。
この機能はFeliCa(NFCの一種)によって実現されており、iPhoneユーザーが公共交通機関を利用する上で欠かせない存在です。
3. NFCタグを使った情報取得やアクション実行
最近増えているのが、NFCタグを読み取って以下のようなアクションを自動で実行する仕組みです。
- Webサイトの表示
- Wi-Fi設定の自動読み込み
- LINEの友だち追加
- チェックイン、スタンプ取得
このような機能を活用して、イベント会場や観光地などに設置されたNFCタグにiPhoneをかざすだけで、特設Webページを閲覧したり、来場特典がもらえたりするケースがあります。
こうしたリアル×デジタルの連携を簡単に実現できるのが、iPhoneにおけるNFCの魅力のひとつです。
iPhoneのNFCは進化中
かつては制限の多かったiPhoneのNFC機能ですが、今では日常生活を快適にするためのインフラ的機能になりつつあります。
特にiPhone XS以降では、「バックグラウンドNFC読み取り機能」が追加され、ロック解除された状態であればNFCタグにかざすだけで情報の読み取りが可能となり、ユーザー体験が大きく向上しました。
企業や店舗のマーケティングツールとしてもNFCタグの利用が広がっており、iPhoneの標準機能として使える点がビジネス活用の大きな後押しとなっています。
iPhoneではNFC設定は不要!
iPhoneのNFC機能は標準でオン
iPhoneのNFC機能は、基本的に設定アプリ内でのオン/オフ操作が不要な「常時オン」状態となっています。
iOSのバージョンや機種によって使える機能の幅に差はあるものの、NFC対応端末を使っていれば、NFCタグに近づけるだけで読み取りが開始される仕様です。
iPhoneのモデル別NFC対応状況
iPhoneのモデルによって、NFCの読み取り方法や対応機能に違いがあります。以下の表をご覧ください。
| iPhone機種 | NFC読み取り対応 | 備考 |
| iPhone 7 / 8 / X | アプリで対応 | 専用アプリが必要。バックグラウンド読み取り非対応 |
| iPhone XS / XR 以降 | 対応 | ロック解除状態であればタッチするだけで自動的に情報読み取りやアクションが可能 |
| iPhone SE(第2世代以降) | 対応 | XS以降と同等のNFC動作が可能 |
iPhone 7〜Xでは、NFCリーダーアプリをダウンロードする必要がある一方で、iPhone XS以降のモデルではアプリは不要で、「バックグラウンドNFC読み取り」機能も標準搭載されています。
ユーザーはロック解除してNFCタグにかざすだけで良いため、操作の手間がほとんどなくなりました。
Appleの設計思想|なぜNFC設定不要なのか?
Appleはセキュリティとユーザー体験を重視しており、「ユーザーが余計な設定をしなくても使えること」を大切にしています。
そのため、iPhoneではNFCを常時有効にし、ユーザーの操作を極力省略する設計になっているのです。
一方で、電池消費や誤作動を防ぐために、ロック解除中のみ反応する、といった制限も設けられています。
iOSバージョンも確認しておこう
iPhoneのNFC機能を正しく使うには、iOSのバージョンも重要です。
- iOS 13以降:ショートカットアプリとの連携や自動化が可能に
- iOS 14以降:NFCタグに近づけるだけで通知が表示される「バックグラウンド読み取り」が強化
ソフトウェア・アップデートでiOSを最新状態にしておくと、NFCの利便性を最大限に引き出せます。
このように、特別なNFCの設定は不要で、便利に使えるのがiPhoneの魅力と言えるでしょう。
iPhoneでNFCタグを読み取る方法と注意点
Step 1:NFCタグに近づけるだけ
- iPhone上部(カメラ近く)をNFCタグに近づける
- iPhone XS以降なら「バックグラウンドNFC読み取り」機能により、ロック解除すれば読み取り可能
- 通知バナーが表示されたら、タップすればアクセスできる
Step 2:NFCタグに反応しないときの確認ポイント
- 画面ロックが解除されているか?
- iOSは最新か?
- NFCタグが正常に動作しているか?
- 使用しているiPhoneがNFC読み取りに対応しているか?
iPhoneのNFCをもっと活用するには?
iPhoneに搭載されているNFC機能の活用は、決済や交通機関での利用だけにとどまりません。
ビジネスシーンでも活用の幅が広がっており、NFCを上手に使いこなすことで“iPhoneをかざすだけ”で完了するユーザー体験を作り出せるようになっています。
ここでは、iPhoneユーザーをターゲットにした、実践的な活用アイデアを5つ紹介します。
1. NFCタグを使ったタッチ体験
iPhone XS以降のモデルでは、NFCタグにiPhoneをかざすだけで、すぐにリンクへアクセスしたり、指定された動作を実行したりできます。
例えば、以下のような活用例が考えられるでしょう。
- お店の入口でクーポン配布:NFCタグにかざすだけで割引クーポンを表示
- 観光地での多言語ガイド表示:外国人観光客がスマホをかざすだけで英語や中国語の説明ページを閲覧可能
- ポスターや商品パッケージのWeb誘導:追加情報や購入ページにすぐにアクセス
- 会員証の提示やチェックインの簡略化:NFCタグを読み取ってLINEミニアプリを起動、会員証や来店記録の表示が可能
NFCタグはアプリ不要で情報を伝えられるため、初めてのユーザーにもスムーズに利用してもらえるという大きなメリットがあります。
2. NFCで家電をオートメーション
iPhoneに標準搭載されている「ショートカット」アプリを使えば、NFCタグをトリガーとして、ユーザー専用の動作を自動実行する仕組みを簡単に作れます。
例えば、このような使い方が可能です。
- 玄関に貼ったNFCタグにiPhoneをかざすと「照明ON+音楽再生」
- 職場のデスクでiPhoneをかざすと「Slack起動+ToDo表示」
- ベッド横にNFCタグを設置して「アラーム設定+おやすみモード切替」
このように、ショートカットアプリとNFCタグを連携させて、iPhoneをかざすだけで複数のアクションを即座に動作させられます。
Appleのエコシステムを使いこなしている人ほど、この「かざすだけの自動化体験」が日常の快適さを変えてくれると実感できるでしょう。
3. LINEと連携!スタンプラリーやアンケート誘導
日本国内ではLINEが生活インフラとも言える存在となっており、LINE公式アカウントやミニアプリとの連携により、NFCタグをきっかけにコミュニケーションやデジタルアクションを開始するケースが増えています。
例えば、こんな導線が可能となります。
- 店頭に設置されたNFCタグからLINEの友だち追加
- イベント会場にNFCタグを設置してスタンプラリーを展開
- NFC経由でアンケートに答えると、LINE上でポイントを獲得
このような設計は、ユーザーの負担が非常に少ないため、イベントやプロモーション、来店促進などマーケティング施策との相性も非常に良いのが特徴です。
4. 名刺・ポートフォリオ・SNSリンクで情報発信
NFCタグを活用すれば「かざしてもらうだけの自己紹介」ができます。
名刺代わりにNFCタグを使って、以下のような情報を伝えることが可能です。
- 自分のSNSやホームページのリンク
- オンラインショップや作品ギャラリーのURL
- お問い合わせフォームや予約ページ
紙の名刺では伝えきれない情報も「NFC × iPhone」でスマートにシェアできるようになるでしょう。
5. NFCでシンプル導線設計|回遊促進・ポイント施策
NFCの活用は「かざすだけで完了する体験」を作るための最もシンプルで効果的な手段のひとつです。
特にiPhoneユーザーが多い環境では、アプリ不要で“かざすだけ”で完結する仕組みが、UXを高めるうえで重要な差別化要素となります。
- 無人店舗や無人受付でのチェックイン
- オフィスでの来訪者対応、スタッフ入退室ログ取得
- 商品の真贋判定(NFCタグ付きの正規品識別)
iPhoneのNFCは設定不要で即利用可能なうえ、LINEとの連携や自動化との組み合わせにより、個人にも企業にも無限の活用の幅があります。
日常のちょっとした場面を便利にするのはもちろん、新しいビジネスの仕組みをつくる起点にもなりうるのがiPhoneのNFC機能です。
Enlytの提供するNFCを活用したLINEポイントアプリのご紹介
Enlytでは、NFCタグを活用したLINEミニアプリを自社開発し提供しています。
このミニアプリはLINEユーザーならば誰でも利用でき、NFCタグにスマホをかざすだけでLINE上でポイントを獲得できます。
貯まったポイントはアプリ内でクーポンに交換し、実際のサービスや商品と引き換えることができる仕組みです。
今後期待しているLINEミニアプリの活用事例
- 飲食店のスタンプカード
- 観光施設での限定コンテンツ配布
- バス・鉄道など交通機関での利用ログ取得
LINEポイントアプリについて詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
→ [NFCを活用したLINEポイントアプリの詳細はこちら]
まとめ|iPhoneのNFCを活用して集客の第一歩に
本記事では、iPhoneでのNFC機能の基本的な使い方やビジネスシーンでのNFC活用方法、LINEミニアプリでの活用事例などを解説しました。
NFC機能は決済や交通機関利用だけでなく、情報提供や集客・誘導にも活用できます。iPhoneならば設定不要でNFCが利用できるため、iPhoneユーザーをターゲットにしたビジネスシーンでのスマートな活用も検討しやすいでしょう。
Enlytでは、NFCやLINEミニアプリを起点にした顧客創出を支援しています。
NFCタグを使ったLINE連携やポイント施策など、より具体的な活用法を検討している企業・店舗様向けに、技術面のご相談も受け付けていますので、お気軽にご相談ください。
▶ NFCタグを活用した仕組みづくりに関するご相談はこちら






