
ノーコード開発とは?メリット・デメリットからツール比較、活用事例まで徹底解説
「ノーコード開発」という言葉を耳にしたことがあるものの、具体的にどのようなものか分からないという方も多いのではないでしょうか?特に、企業の新規事業担当者やDX推進担当者、またノーコードツールに興味があるスタートアップ企業の経営者にとって、ノーコード開発の活用はビジネスを加速させる重要な手段となります。
この記事では、以下のような疑問や悩みを解決します。
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この記事を読めばこれがわかる!!
- ノーコード開発の目的
- ノーコード開発ツールの選定基準
- ノーコード開発の具体的な活用方法
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目次
ノーコード開発とは?
ノーコード開発の基本的な仕組み
ノーコード開発とは、プログラミングスキルがなくてもアプリやシステムを構築できる手法です。ドラッグ&ドロップの操作やビジュアルインターフェースを活用することで、エンジニア以外でも短期間で高品質なアプリケーションを作成できます。
ノーコード開発とローコード開発の違い
ノーコード開発と混同されやすいのがローコード開発です。
比較項目 | ノーコード開発 | ローコード開発 |
コーディングの必要性 | 不要 | 一部必要 |
カスタマイズ性 | 低い | 高い |
対応可能な開発範囲 | 限定的(業務アプリやWebサイト向け) | より幅広い開発が可能 |
開発スピード | 非常に早い | 早いが一定の開発知識が必要 |
ノーコードは完全にコーディング不要で手軽に開発できる点が強みですが、カスタマイズ性には制限があります。より柔軟なシステムを構築したい場合は、ローコード開発を検討するのも一つの方法です。
ノーコード開発のメリットとデメリット
ノーコード開発のメリット
- コスト削減
- ノーコード開発では、エンジニアを雇う必要がないため、人件費や開発コストを削減できる。
- 既存のノーコードツールを活用すれば、ソフトウェア開発にかかる外注コストも抑えられる。
- 迅速なプロトタイピング
- ビジネスアイデアをすぐに形にできるため、市場に対して素早くMVP(Minimum Viable Product)を投入できる。
- 試作を何度も繰り返しながら、顧客のフィードバックを基に改善が可能。
- 非エンジニアでも開発可能
- ノーコードツールの多くは直感的なUIを備えており、プログラミング知識がなくてもアプリ開発が可能。
- ビジネス担当者やマーケティング担当者でもツールを利用できるため、社内のITリソースを有効活用できる。
- 保守・運用が容易
- ノーコードツールにはクラウドベースのものが多く、メンテナンスが自動で行われるため、ITチームの負担が軽減される。
- 更新作業も直感的な操作で簡単にできるため、システム運用の手間が削減される。
- 市場投入のスピード向上
- ノーコード開発を利用することで、開発期間を従来の数カ月から数週間、あるいは数日に短縮可能。
- 市場の変化に応じて迅速に製品やサービスを改良・追加できる。
ノーコード開発のデメリット
- カスタマイズの制限
- ノーコードツールは既存の機能を組み合わせてアプリを開発するため、独自の複雑な仕様を実装するのが難しいことがある。
- 特定のビジネスロジックや特殊な要件がある場合、ノーコードでは対応しきれず、ローコードやフルスクラッチ開発が必要になることも。
- セキュリティの懸念
- ノーコードツールの多くはクラウドサービス上で動作するため、データの取り扱いに注意が必要。
- 機密情報を扱う企業は、提供元のセキュリティポリシーやデータ管理の方法を十分に確認する必要がある。
- プラットフォーム依存
- ノーコードツールは特定のプラットフォームに依存するため、一度開発を始めると他のツールや環境へ移行するのが困難になることがある。
- 途中で仕様変更が発生した場合、別のシステムに乗り換えるコストが高くつく場合もある。
- パフォーマンスの限界
- ノーコード開発ではツールが提供する機能の範囲でしか動作しないため、大規模なデータ処理や高度な計算処理が必要なアプリには向いていない。
- 特にリアルタイム処理や大量のデータ処理が必要なシステムでは、処理速度が問題になる可能性がある。
- 拡張性の不足
- 開発当初は問題なく利用できても、事業が成長して大規模な機能追加が必要になった際に、ノーコードツールだけでは対応しきれなくなることがある。
- その結果、途中でローコードやフルスクラッチ開発への移行が必要になる場合がある。
ノーコード開発の費用と導入コスト
ノーコードツールの無料と有料の違い
ノーコードツールには無料版と有料版があり、それぞれ特徴を理解することが重要です。
項目 | 無料版 | 有料版 |
利用できる機能 | 制限有(基本機能のみ) | フル機能利用可能 |
カスタマーサポート | 限定的 | 充実したサポートあり |
セキュリティ対策 | 一般レベル | 企業向けの強化されたセキュリティ |
データ保存 | 容量制限あり | 大容量ストレージ使用可能 |
商用利用 | 制限あり | 制限なし |
無料版は試験的な使用や小規模なプロジェクトに適していますが、企業としての正式なリリースや利用・開発には有料版の導入が推奨されます。
ノーコードツールの導入にかかる費用の内訳
ノーコード開発を導入する際の費用は以下のような項目で構成されます。
- 初期費用:
- ツールの設定や導入サポートにかかる費用。
- 一部のノーコードツールでは初期費用なしで導入可能。
- 月額料金(サブスクリプション):
- ツールの利用プランによって異なり、数千円から数万円まで幅広い。
- チームメンバー数や使用する機能によって価格が変動する。
- 追加機能利用費用:
- 高度な機能(API連携、外部データベース接続など)を利用する際には追加料金が発生することがある。
- 一部のツールではプラグインやアドオンの購入が必要。
- 開発支援費用:
- ノーコード開発を成功させるために専門家やコンサルタントを活用する場合、別途費用がかかる。
- 企業向けプランではトレーニングや導入サポートが含まれる場合もある。
- 運用・保守費用:
- 継続的なシステムのメンテナンスやアップデートに関する費用。
- 一部ツールでは、セキュリティ強化やバックアップサービスの追加費用が発生することもある。
自社に最適なノーコード開発ツールを選ぶポイント
ツール選定時に確認すべき要素
ノーコードツールを選ぶ際には、以下の要素を確認することが重要です。それぞれのポイントを比較検討することで、自社のニーズに最適なツールを選択できます。
- 機能性:自社業務に必要な機能が揃っているかを確認しましょう。特に、自動化やAPI連携など、業務効率化に直結する機能が重要です。
- 操作性:カスタマイズが限られる中で、開発者の操作性は直感的で使いやすいインターフェースになっているか、運用担当者にも使いやすいと感じてもらえるようなインターフェースを制作できそうか、を確認しましょう。
- 対応業務範囲:ツールが自社のビジネスモデルや業務プロセス、事業規模にどの程度適応できるかを検討しましょう。
- 拡張性:将来的な事業拡大や新しいニーズに対応できる柔軟性があるかも重要な判断基準です。
導入形態(クラウド型・オンプレミス型)の比較
比較項目 | クラウド型 | オンプレミス型 |
導入のしやすさ | 容易 | インフラ構築が必要 |
セキュリティ | 標準レベル | 自社管理が可能 |
コスト | 月額料金が発生 | 初期費用が高いが長期的にコスト削減可 |
クラウド型
クラウド型は、サービス提供事業者のサーバーを利用してシステムを運用する形態です。
初期投資が少なく短期間で導入可能ですが、データ管理やセキュリティ面ではベンダー依存となる場合があります。
オンプレミス型
オンプレミス型は、自社でサーバーなどのITインフラを構築・管理してシステムを運用する形態です。
自社環境で運用するためセキュリティ面で優れていますが、インフラ構築や初期費用が高額になる点に注意が必要です。
サポート体制や情報提供の充実度
ツールを選定する際には、以下のサポート体制が整っているかも確認しましょう。
- FAQ・チャットサポートの有無:問題解決までのスピード感を左右します。
- チュートリアルや動画解説の充実度:初心者でも簡単に学べるリソースがあるか確認しましょう。
- 導入後の技術支援やカスタマーサポートの品質:トレーニングプログラムやカスタマーサポートの品質も重要です。特に企業向けプランでは、専任担当者によるサポートが含まれる場合があります。
ノーコード開発ツール おすすめ12選【目的別で徹底比較】
汎用型ノーコードツール
幅広い開発に対応可能な汎用型ノーコードツールは、多機能で柔軟性が高く、さまざまなプロジェクトに適しています。
業務アプリ特化型ノーコードツール
社内システムや顧客管理など、業務効率化を目的としたアプリケーション構築に特化したツールです。
- kintone:データベース管理や業務プロセスの自動化が得意。
- AppSheet:Google Workspaceとの連携がスムーズで、簡単に業務アプリを作成可能。
- Glide:スプレッドシートから直接アプリを構築できる手軽さが魅力。
Webサイト特化型ノーコードツール
ランディングページ(LP)やコーポレートサイトの作成に特化したツールです。
その他特徴的なノーコードツール
特定の機能に優れたツールとして以下が挙げられます。
- Airtable:データベース管理とプロジェクト管理を統合したプラットフォーム。
- Click:チームコラボレーションとタスク管理に最適。
- Platio:IoTデバイスとの連携が可能なユニークなツール。
- サスケWorks:CRM(顧客管理)機能が充実した国産ツール。
- KARTE Blocks:顧客体験の最適化に特化したマーケティング支援ツール。
ノーコード開発の活用事例
ノーコード開発はさまざまな分野で活用されています。以下は代表的な活用事例です。
1. 業務アプリの構築
社内のワークフローや業務管理システムを迅速かつ低コストで構築可能。
実用例:京セラ株式会社
kintoneのプラグインであるPlatioを活用し、広大な倉庫の在庫管理アプリを開発しました。これにより、紙ベースだった棚卸業務をデジタル化し、在庫照合の自動化やミスの削減、在庫精度の向上を実現しました。このアプリは他拠点にも展開されています。
2. プロトタイピングとMVP開発
スタートアップ企業が初期段階の製品テストを低コストで実施する際に有効。
実用例:株式会社SANU
月額5.5万円で自然豊かな場所に「もう一つの家」を持てるサブスクリプションサービス「SANU 2nd Home」は、Bubbleを活用して構築されました。アイデアを素早く形にし、市場の反応を得てから約50億円の資金調達に成功した事例です。
3. Webサイト・ECサイトの作成
ShopifyやSTUDIOなどのノーコードツールを活用し、短期間でECサイトやコーポレートサイトを構築。
実用例:dely株式会社
レシピ動画サービス「クラシル」を運営するdely株式会社は、コーポレートサイトをノーコードツールSTUDIOで制作しました。アニメーションなどを効果的に使用し、デザイン性の高いサイトを実現しています。
4. マーケティング自動化
Zapierなどの自動化ツールを使い、リード獲得や顧客対応プロセスを効率化。
実用例:株式会社ヤプリ
アプリ開発プラットフォームを提供するヤプリでは、Zapierを活用して社内業務の自動化を進めています。例えば、アカウント申請があった際に関係者へのレビュー依頼を自動化したり、特定の条件(例: 3ヶ月ログインがないゲストアカウント)に合致するアカウントをSlackに通知する、といったワークフローを構築しています。
まとめ:メリット・デメリットを理解し、自社に最適なノーコード開発を実現しよう
ノーコード開発は、企業のDX推進において重要な選択肢の一つとなっています。特に、開発コストを抑えながら短期間でプロトタイプを作成し、市場でのテストを迅速に行いたい企業にとって、大きなメリットがあります。
ただし、カスタマイズの制限やセキュリティリスク、プラットフォーム依存などの課題もあるため、自社の目的や要件を明確にし、適切なツールを選定することが成功の鍵となります。
次に取るべきアクション
ノーコード開発を活用するために、以下のステップを実施しましょう。
- 無料トライアルの利用:気になるノーコードツールの無料トライアルを試し、実際の操作感を確認。
- 専門家への相談:開発経験のある専門家や導入支援サービスを活用し、自社に最適なツールを選定。
- 小規模なプロジェクトからスタート:最初は小規模なアプリや業務改善ツールから導入し、効果を検証。
- 長期的な運用計画を立てる:将来的な拡張性やデータ管理を考慮し、持続的な運用が可能な体制を構築。
ノーコード開発は、適切に活用すればビジネスの成長を加速させる強力なツールです。まずは、実際に試しながら、自社のニーズに合った方法を見つけていきましょう。
Enlytについて
株式会社Enlytはベトナムに開発拠点SupremeTechを持ち、Enlytではこれまで50以上の開発プロジェクトを行ってきました。( 株式会社Enlytの実績は開発実績ページから)ベトナムと日本のグローバルなチームで、数多くのプロジェクトを成功に導いてきました。
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