
WebアプリとWebサイトの違いとは?初心者にもわかりやすく解説|開発前に知っておきたいポイントも
Webサービスを開発する際に「WebアプリとWebサイトでは何が違う?」と疑問に思う方も多いでしょう。
WebアプリとWebサイトは、目的や機能などに大きな違いがあるため、ビジネスモデルによってどちらを選ぶかが重要です。
2つの違いを把握せずに開発を進めてしまうと、予算や開発期間、ユーザーの体験、さらには成果そのものに悪影響を及ぼしかねません。
本記事では、WebアプリとWebサイトの基本的な違いや、目的に応じてどちらが向いているかを解説します。また、Webアプリについて、メリット・デメリットや、開発に際しての注意点を踏まえ、私たちEnlytがどのようにプロジェクトを進めているか実例を交えてわかりやすく紹介します。
これからWebサービスの立ち上げを考えている方や、開発パートナーを探している方にとって、意思決定のヒントになれば幸いです。
目次
WebアプリとWebサイトの基本的な違い
定義の違い
Webアプリとは、ユーザーがタスクを実行したり、サービスを利用したりする機能を持つツールです。
例えば、SNSやネットバンキング、オンラインショッピングなどに用いられ、会員登録や、チャット、予約管理、ポイント管理などの機能を備えます。
Webアプリでは操作やメッセージなどを通じて、ユーザーとの双方向のやり取りが可能です。
一方、Webサイトとは、企業や個人の情報発信を主な目的として、インターネット上に公開する情報媒体です。
例えば、会社概要ページや、商品紹介、ニュース記事、ブログなどが該当します。
文章や画像などの静的コンテンツをユーザーが閲覧することによる、一方向的な情報提供が機能の中心です。
技術的な違い
Webアプリは、フロントエンドにReactやVue.jsなどのJavaScriptフレームワークで構築され、バックエンドにはNode.js、Ruby、PHPなどが使用されています。
フロントエンドとバックエンドの連携により、APIを通じてデータベースと接続し、ユーザー操作に応じた動的な画面切り替えや処理が可能です。
Webアプリを利用すれば、「その場で処理が完結する」スムーズな体験を提供できます。
一方、Webサイトは基本的にHTML・CSSをベースに構築されており、更新する際はファイル単位で行うのが一般的です。
Webサイトは、コーポレートサイトのように管理者が内容を更新する「静的サイト」と、ECサイトのようにデータベースと連携してアクセスのたびに表示を変える「動的サイト」に分けられます。
Webサイトでは「読む・見る」が中心ですが、Webアプリでは「操作する・使う」が中心となるため、インターフェースの設計やレスポンスの速さがUX(ユーザー体験)の満足度に直結します。
【目的別】WebアプリとWebサイトのどちらを選ぶべきか?
WebアプリとWebサイトはそれぞれ得意な領域が異なるため、まずは自社のビジネス目的や提供したい体験を明確にすることが重要です。
Webアプリが向いているケース
ユーザーの操作や体験を通じてサービスを提供したい場合は、Webアプリが適しています。具体的には、以下のようなケースが該当します。
- 会員登録やマイページ機能を実装したい
ユーザーごとにデータを持たせ、ログイン状態を保持しながらサービスを提供する設計が可能です。 - 予約・決済・チャットなどの双方向機能が欲しい
インタラクティブ性の高いUI設計とリアルタイム通信が必要になるため、Webアプリが適しています。 - LINE・スマホアプリと連携したい
LINEミニアプリやPWAなど、モバイルツールでの使い勝手を重視するサービスを提供可能です。 - 社内業務システムをオンライン化したい
勤怠管理や営業進捗管理、在庫システムなど、業務に特化したUIと処理が求められるケースではWebアプリが効果的です。
Webサイトが向いているケース
情報発信が中心でユーザーの操作が限定的な場合は、Webサイトの方がシンプルかつコストを抑えて運用できます。以下のようなケースには、Webサイトが向いているでしょう。
- 会社概要やブランドを紹介したい
企業情報を伝えるための静的ページを充実させます。 - SEOを活用して集客したい
Google検索を通じて見込み顧客を獲得したい場合、HTML構造を最適化しやすいWebサイトが有利です。 - 更新頻度の高いブログ・コラムなどを運営したい
CMS(コンテンツ管理システム)と組み合わせて運用すれば、非エンジニアでも簡単に情報発信できます。 - ランディングページや広告誘導先として使用したい
商品やサービスの訴求など、目的特化型の設計がしやすいのもWebサイトの特徴です。
Webアプリのメリット・デメリット
Webアプリは、ユーザーに価値ある体験を提供できるため、顧客との関係を深めながらビジネスを成長させるソリューションとなります。
Webアプリのメリット
- ユーザーとの関係性を深められる:ログイン機能やマイページ、履歴の蓄積により、パーソナライズされた体験を提供できる。
- インストール不要で利用可能:URLを開くだけでアクセスできるため、ユーザーの導入ハードルが低い。
- アップデートが即時反映:ネイティブアプリと違い、サーバー側で変更すればすぐにユーザー環境に反映される。
- 複数デバイスでの同期がしやすい:クラウドベースでの処理が多いため、PC・スマホ・タブレットなどで同じデータを扱いやすい。
Webアプリのデメリット
- 開発費用と期間が長くなりがち:仕様が複雑になると、設計・実装に時間とコストがかかる。
- セキュリティ対策が必要:ユーザー情報を扱うため、ログイン認証やデータの暗号化などの設計が必須。
- 保守・運用にコストがかかる:機能が増えるほどバグ修正や仕様変更の対応が大変になる。
- ブラウザ性能に依存する:端末やブラウザによって動作が異なることがあるため、幅広い検証が必要になる。
Webアプリ開発のよくある失敗例と注意点
「Webアプリを作りたい=全部の機能を最初から詰め込む」は危険
Webアプリを開発する際のよくある失敗パターンとして、「理想的な完全版」を最初から目指してしまうケースが挙げられます。
アプリの要件が多くなると設計・開発の難易度が高くなり、予算オーバーやスケジュールの遅延、開発チームの混乱などのリスクに繋がります。
理想が大きすぎるゆえに「完成しないまま終わる」ことすらあるのです。
そのため、特にスタートアップや新規事業では、最初から完璧なものを作るよりも、早く市場に出してユーザーに使ってもらうことが重要です。
まずはMVP(最小限の機能)でリリースするのが成功の鍵
MVP(Minimum Viable Product)とは、最小限の機能だけを備えた製品です。
まずはMVPを早期にリリースして、ユーザーのリアルな反応をもとに改善したり、追加開発したりしていくことがUXの向上に直結します。
Webアプリを開発するならば、以下のようなスモールスタートの進め方が効果的です。
- UI設計を通じて機能や画面を洗い出す:頭の中のイメージを視覚化し、不要な要素を取り除く。
- 必要な機能だけに絞り開発する:優先順位をつけて、初期リリースの核を定める。
- リリース後、ユーザーの反応を見ながら改善する:実際の利用データをもとに、効果が出る部分に開発・改善を集中する。
- 必要なタイミングで機能を追加していく:ビジネスの成長と連動して機能も進化させる、持続可能な開発スタイル。
このようなアプローチにより、予算を抑えながら、スピーディーに開発を進めていくことが可能です。
EnlytのWebアプリ開発ステップの例を紹介
ステップ1:UI/UX設計
Figmaなどのツールを使って、アプリ全体の構成や導線を設計します。機能や画面を見える化することで、スコープや予算を最適化できます。
ステップ2:開発範囲の絞り込みとMVP構築
すべてを一度に作るのではなく「最小限で価値を届けられる部分」だけを開発して、いち早くリリースします。
ステップ3:リリース後のフィードバックをもとに追加開発
実際のユーザーの声やデータに基づいて、段階的に機能やUIを改善していきます。
まとめ|WebアプリかWebサイトか、事業に合った開発のために“実現したい”ビジネスを明確にする
本記事では、WebアプリとWebサイトの違いや目的別の選び方、Webアプリを開発する際の注意点・開発ステップ例などを解説しました。
WebアプリやWebサイトを使ったサービスを開発する際は「何を実現したいか」を明確にすることが大切です。
ユーザーに操作を通じて体験価値を届けたいならWebアプリ、情報発信が目的ならWebサイトが適しています。
「Webアプリを作るか迷っている」「そもそも何から始めればいいのかわからない」という方は、UI/UX設計から始めるのがおすすめです。実際に必要な画面や導線を洗い出すことで、プロジェクト全体の見通しが一気にクリアになります。
アプリUIやWebアプリの開発をご検討中の方へ
最近、弊社Enlytには「やりたい機能が多すぎてスコープが膨大になり、予算が足りない」といったご相談が増えています。
私たちは、UI設計を通じて必要な機能や画面を洗い出し、最小構成からスタートすることを強くおすすめしています。
その後、リリース→ユーザーの反応→追加開発というサイクルで進めれば、無駄のない投資でWebアプリ開発が可能です。
WebアプリやWebサイトの開発に少しでもお悩みがあれば、ぜひお気軽にEnlytまでご相談ください。
