「お客様にとって一番使いやすい形にしたい」SPEEDチャンネルが挑んだ、自社OTTサービス立ち上げの舞台裏 | CloudTVによる競輪ライブ配信・TVアプリ対応事例
Cloud TVで実現した、競輪専門チャンネルのライブ配信・VOD・TVアプリ対応
競輪専門チャンネルとして長年ファンに支持されてきた株式会社SPEEDチャンネル様は、既存配信サービスの終了をきっかけに、自社OTTサービス「SPEEDチャンネル.JP」の立ち上げを決断されました。
限られたスケジュールの中で、競輪のライブ配信、VOD、会員管理、サブスクリプション、Web・スマートフォン・TVアプリ対応を実現するために採用されたのが、Enlytの動画配信サービス構築基盤 Cloud TV です。
今回は、株式会社SPEEDチャンネル 常務取締役の田村様をはじめ、配信インフラ、VOD・メタデータ管理、アプリマーケット連携、放送運用、プロジェクト推進などを担われた現場担当者様にご参加いただき、サービス立ち上げの背景、Cloud TV採用の決め手、短期間での開発を支えた連携、そして今後の展望についてお話を伺いました。
お話を伺った方

株式会社SPEEDチャンネル
・常務取締役 田村様
・配信インフラ、VOD・メタデータ管理、アプリマーケット連携、放送運用、プロジェクト推進をご担当された皆様
企業情報

■ 企業名:株式会社SPEEDチャンネル
■ コーポレートサイト:https://www.speedchannel.co.jp/
■ サービスサイト:https://speedchannel.jp/
既存配信サービス終了をきっかけに、自社OTTサービス立ち上げを決断

— まず、今回「SPEEDチャンネル.JP」を新たに立ち上げることになった背景についてお聞かせください。
田村様:
もともと当社では、CS 放送の付帯サービスであった配信プラットフォームを通じて、SPEEDチャンネルのコンテンツをお届けしていました。
しかし、その既存配信サービスが終了することになり、当社としても新しい配信基盤を急いで検討する必要がありました。
もちろん、当社には CS 放送という既存の事業があります。ただ、今後も衛星放送だけで生き残っていくというのは、現実的には難しいという認識がありました。視聴環境も変化していますし、ファンの方々に継続してコンテンツを届けるためには、インターネットを通じた配信サービスを自社で持つ必要があると考えました。
そのため、既存サービスの終了が見えてきた段階で、配信プラットフォームを探し始めたというのが最初のきっかけです。
コストとスピードの両立が必須だった今回のOTTサービス開発プロジェクト
— 配信プラットフォームを探される中で、特に課題に感じられていた点は何でしたか。
田村様:
一番大きかったのは、やはりコストとスピードです。
国内の配信事業者様にもいくつか選択肢はありました。ただ、当社としてはこのサービスをビジネスとして成立させなければなりません。そう考えると、初期費用や開発費用が大きすぎると、どうしてもビジネスモデルに合わない部分がありました。
もう一つは、立ち上げまでの期間です。既存サービスの終了時期が決まっている中で、新しいサービスを短期間で構築しなければならない。コストを抑えることと、早期に立ち上げること。このどちらか一つでも欠けると、今回のプロジェクトは成立しなかったかもしれません。
まずは、できるだけ現実的なコストで、かつ短期間でスタートできる会社を探したいという思いがありました。
既存サービスでは、視聴者が「見たいものにたどり着きにくい」課題があった

— コストやスピード以外に、サービス選定で重視されていた点はありますか。
田村様:
UI/UXは非常に重視していました。
以前利用していた配信サービスは、SPEEDチャンネルだけでなく、さまざまなコンテンツが一つにまとまったサービスでした。そのため、SPEEDチャンネルの視聴者が、SPEEDチャンネルの番組を見るまでに、いろいろ探さなければならない状態でした。
見たいものにすぐ到達できない。探しにくい。動作が遅い。そういった声や課題感は、当社としても感じていました。
競輪ファンの方にとっては、「今見たいライブ」や「見たい番組」にすぐアクセスできることが大切です。新しいサービスでは、当社のお客様にとって一番使いやすい形にしたいという思いがありました。
Cloud TVとの出会いはInter BEE。「大ヒットの出会いだった」
— Cloud TVを知ったきっかけや、採用の決め手について教えてください。
田村様:
正直に申し上げると、探し始めるまではEnlytさんやCloud TVのことは知りませんでした。
きっかけはInter BEEです。社内でも、配信サービスを提供している会社が出展していないかを調べており、その候補の中にEnlytさんがありました。実際に社員がCloud TVのブースに立ち寄り、話を聞いたことが最初の接点です。
そこで、コスト感や、すでにある程度できあがっているOTTサービス基盤を活用できることを知りました。それを当社独自のプラットフォームのように展開できるという点が、非常に魅力的でした。
国内の事業者様も検討していましたが、費用や納期の面で当社の条件に合わない部分がありました。その中でEnlytさんに出会えたことは、今振り返ると本当に大きかったです。
少し表現がカジュアルかもしれませんが、当社にとっては「大ヒットの出会い」だったと思っています。
不安を信頼に変えたのは、真摯で柔軟な対応

— 短期間かつ現実的なコストで構築できるという点について、最初は不安もありましたか。
田村様:
もちろん、まったく不安がなかったわけではありません。
日本企業同士の取引には、国内企業ならではの安心感のようなものがあると思います。その意味では、本当に大丈夫なのかという不安は正直ありました。
ただ、最初に連絡を取ってから、Webミーティングなどで何度もやり取りを重ねる中で、Enlytさんの関係者の方々が非常に真摯に対応してくださいました。当社の素朴な疑問にも、フレキシブルに回答していただきました。
その積み重ねによって、信頼度はどんどん高まっていきました。最初の不安が、プロジェクトを進める中で安心感に変わっていったという印象です。
約600本のVOD移行。Enlyt&SupremeTechによる手厚いサポートに感謝
— 今回、VODコンテンツの移行も大きな作業だったと思います。実際に担当されて、印象に残っていることはありますか。
SPEEDチャンネル ご担当者様:
約600本近いVODコンテンツがあったので、サービス開始に間に合うか不安でした。
素材の受け渡しの問題もありましたし、データ自体が手元にないものもあったため、取り寄せる必要がありました。まず素材を揃える段階で大変さがありました。
また、EnlytさんにS3の環境を用意していただき、そこへ動画をアップロードしていきましたが、本数が多いため、アップロードにも時間がかかりました。
私はこうした作業が初めてだったので、最初は分からないことも多かったのですが、Enlytさんが環境や手順を用意してくださり、質問にもすぐ答えていただけたので、進めることができました。とても感謝しています。
ライブ配信を支えた、SPEEDチャンネル・関係会社・Enlytの三者連携

— ライブ配信や回線まわりでは、どのような連携がありましたか。
SPEEDチャンネル ご担当者様:
今回、配信回線やネットワークの部分では、弊社と関係会社様の間に長年の関係性がありました。そのため、技術的に「こうしたい」「ああしたい」という内容をすぐに伝えることができ、相手側にもすぐ理解していただけたと思います。
一方で、Enlytさん側からはクラウド側の受け入れ条件や構成について教えていただきました。当社だけでは分からない部分も多かったのですが、Enlytさんが必要な情報を整理してくださったことで、三者でうまく連携できました。
単純に回線を手配するだけではなく、開通させ、ライブ配信として成立させる必要がありました。その意味では、SPEEDチャンネル、関係会社様、Enlytさんの三者連携が非常に良かったと思います。
初めての配信事業でも、進め方を示してもらえた安心感
— プロジェクトを進める中で、Enlytとのコミュニケーションについて感じられたことはありますか。
SPEEDチャンネル ご担当者様:
当社としても、今回のような配信事業は初めての部分が多く、何をどう進めればよいか分からないこともありました。
その中で、Enlytさんから「これはどうですか」「ここは確認した方がいいです」といった形で、打ち合わせの中でもいろいろとリードしていただきました。
例えば、法律面で確認した方がよいことについても、ベースになるものを共有していただきながら、必要に応じて専門家に確認した方がよいと示していただきました。
ただ依頼を投げるのではなく、こちらに寄り添いながら進めていただいたことで、安心感がありました。短い期間ではありましたが、要所要所で道標を示していただいたことが、最後までやり切れた理由の一つだと思います。
FireTVやAndroidTVへの対応など、TVアプリ向け動画配信開発スピードは「感動レベル」

— 今回、Web、スマートフォンアプリだけでなく、Android TVやFire TVにも対応しました。この点についてはどのように感じられていますか。
田村様:
正直に言うと、TVアプリまで対応できたことは、私自身かなり驚きでした。感動レベルと言ってもいいくらいです。
もともと、将来的にはTVアプリが必要だという議論はありました。当社の視聴者層を考えると、テレビ画面で見られることには大きな意味があります。
一方で、CS放送の場合はアンテナの設置が必要です。しかし、今の日本では、アンテナを設置できる環境が以前より難しくなってきています。そうした中で、テレビアプリを通じて視聴できる環境を作ることは、当社にとって非常に重要なテーマでした。
それが「すぐできます」と言われたときは、本当に驚きました。今後は、せっかく作ったTVアプリをどうやって多くの方に使っていただくかが、次のテーマになると思っています。
タイムライン表示で、ライブ視聴中の番組確認をスムーズに
— 今回のサービスでは、ライブ視聴中に番組のタイムラインを確認できるUIも採用しています。この点はいかがでしょうか。
SPEEDチャンネル ご担当者様:
一画面で番組の流れを見られるのは、視聴者にとって非常にありがたいと思います。
これまでは、番組表と照らし合わせる必要がありました。次の番組が何なのかを確認するのも、少し手間がかかる部分がありました。
今回のように、視聴画面の中でタイムラインを確認できることで、視聴者は次に何が始まるのかを自然に把握できます。まだ具体的な視聴者の反応を十分に集められている段階ではありませんが、一般的に考えても、便利に感じていただける機能だと思います。
また、番組が切り替わるたびに視聴を止めるのではなく、連続して見られる体験も自然で良いと思います。ライブ配信としては、この形が合っているのではないでしょうか。
Direct Connect、エンコーダー、VOD。複数の要素を同時に進めた短期開発
— 非常に短い期間でのリリースでした。技術面や体制面で印象に残っていることはありますか。
SPEEDチャンネル ご担当者様:
短期間で実現できた背景には、Enlytさんの開発チームの技術力と協力体制があったと思います。
VODについては、担当者が約600本のコンテンツを土日も含めて準備してくれました。EnlytさんもS3環境をすぐに用意してくださり、そこへどんどんアップロードできる状態を作っていただきました。
ライブ配信側では、エンコーダーの準備やDirect Connectの対応が大きなポイントでした。特にDirect Connectについては、通常であればもっと時間がかかるところを、かなり短期間で進める必要がありました。
結果的には、SPEEDチャンネル側、関係会社様、Enlytさんのそれぞれが動いたことで、短期間でのサービスインにつながったと思います。エンコーダーの納期なども含めて、さまざまな要素がうまく噛み合ったプロジェクトでした。
プロジェクト全体を支えた連携について
SPEEDチャンネル ご担当者様:
今回のプロジェクトは、社内外の関係者が多く、短期間で多くのタスクを並行して進める必要がありました。そのため、体制づくりや関係者間の調整は決して簡単ではありませんでした。
その中で、Enlyt / SupremeTechの皆様には、各領域の専門性を持つスタッフの方々に支援いただき、分からない点や確認事項にも丁寧に対応いただけたことで、大きなストレスなく進めることができました。
また、SupremeTechのダナン拠点を訪問した際には、社員の皆様の若さや活気、専門性の高さを実感しました。実際に開発チームと直接交流できたことで、より安心してプロジェクトを進められたと感じています。
Cloud TVは、基本仕様とコストのバランスが良く、動画配信サービスを検討する企業にとって扱いやすいサービスだと思います。今後も、当社の情報やアイデアを反映しながら、より良いプロダクトとして進化していくことを期待しています。

「始められたこと」に満足。次は視聴者数をどう伸ばすか
— 今後、SPEEDチャンネル.JPをどのように育てていきたいと考えていますか。
田村様:
まず、サービスを始められたことには非常に満足しています。ただ、今の状態が完成形だとは思っていません。
今後の大きなテーマは、視聴者数をどんどん増やしていくことです。そのためには、コンテンツの出し方や運用の仕組みを改善していく必要があります。
例えば、その日の予想番組や翌日の予想番組を、よりスムーズにアップできるようにする。そうした運用をどのように自動化していくかも、今後Enlytさんと相談しながら進めていきたいテーマです。
また、一部のコンテンツを無料で見せる、途中から有料にする、コンテンツを分類して有料会員登録につなげるといった導線も重要になってくると思います。
今はまだ入口の段階です。これからサービスの中身を改善しながら、視聴者数を伸ばしていきたいと考えています。
競輪ファン同士が楽しめる仕組みや、縦型動画への可能性も
— ライブ配信やVOD以外に、今後検討したい機能やコンテンツの方向性はありますか。
田村様:
競輪は、レースそのものだけでなく、ファン同士の会話や予想、盛り上がりも含めて楽しめるコンテンツだと思っています。
例えば、コメント機能のように視聴者同士が反応し合える仕組みも、一つの可能性としてあると思います。ニコニコ生放送やYouTubeのように、映像を見ながらコミュニケーションが生まれる形ですね。
また、最近は縦型動画にも関心があります。先日アメリカのNABにも行ったのですが、縦型動画に関する展示も多く見られました。スマートフォンで見やすい短尺コンテンツや、レースのハイライトのような見せ方も、今後のテーマになり得ると感じています。
もちろん、コストとのバランスはありますが、システムとしてできることと、当社が提供できるコンテンツをどう組み合わせていくかが、今後の大きなテーマになると思います。
Enlytは「ユーザー側に寄り添う文化」を持っている会社

— 最後に、今回Enlyt / Cloud TVとプロジェクトを進めてみて、感じられたことをお聞かせください。
田村様:
本当に感謝しています。
すごく感覚的な表現になりますが、Enlytさんには「ユーザー側に寄り添う姿勢」があると感じました。これはおそらく、会社としてのカルチャーなのだと思います。
世の中には、「ここからここまでは当社がやります」という線引きがはっきりしている会社も多いと思います。もちろん、それはそれで正しい面もあります。
ただ、今回のように短期間で新しいサービスを立ち上げるプロジェクトでは、会話をしながら、一緒に考えながら、寄り添って作っていく姿勢が非常に重要でした。
Enlytさんは、まさにそういう進め方をしてくれました。当社にとっては非常に助かりましたし、信頼できるパートナーだと感じています。
この姿勢を継続していけば、日本でも「いい会社だね」と納得する企業は増えていくのではないかと思います。Enlytさんを見ていると、良い人材がいて、良いカルチャーを持った会社なのだろうと感じます。

Enlytより
今回のSPEEDチャンネル.JPプロジェクトは、既存配信サービスの終了という明確な期限がある中で、ライブ配信、VOD、会員管理、サブスクリプション、Web・スマートフォン・TVアプリ対応を短期間で実現する必要があるプロジェクトでした。
その中で特に印象的だったのは、SPEEDチャンネル様の経営判断の速さと、現場の皆様の推進力です。
田村様の迅速な意思決定に加え、現場担当の皆様が、配信インフラ・回線まわりの推進、VOD・メタデータの準備、アプリマーケット連携、放送運用、関係者間の調整をそれぞれの立場で進めてくださったからこそ、短期間でのサービス立ち上げが実現できたと感じています。
Enlytは、単に開発を受託するのではなく、お客様と一緒にプロダクトを育てていくことを大切にしています。
SPEEDチャンネル.JPは、リリースして終わりではなく、これから視聴者数の拡大、コンテンツ運用の改善、無料・有料導線の強化、縦型動画や新しい視聴体験への展開など、さらに成長していく可能性を持ったサービスです。
今後もCloud TVを通じて、SPEEDチャンネル様の挑戦を技術面・サービス面の両方から支援してまいります。

動画配信サービス、ライブ配信、VOD、TVアプリ、サブスクリプション型サービスの開発をご検討中の方は、Enlytまでお気軽にご相談ください。
Cloud TVは、ライブ配信・VOD・会員管理・課金・マルチデバイスアプリ開発を一体で支援する動画配信サービス構築基盤です。
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