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ベトナムのダナンでFun/Done/Learnしてみた。

こんにちは。Supreme TechのSM(スクラブマスター)のヒコです。*土曜の夜は必ずスキンフード (SKINFOOD) ブラックシュガーでスクラブをするのが習慣。

早速ですが、僕は本当にスクラムチームをみています。スクラムなどアジャイル開発において重要な「レトロスペクティブ(ふりかえり)」。チームを成長させるために不可欠にもかかわらず、うまい方法がわからない、形骸化している、といった課題を感じている方は少なくないはずです。

僕はこれまで「レトロスペクティブ(ふりかえり)」のフレームワークとしてKPT(ケプト)を採用していました。しかし今回は別のフレームワークのFun/Done/Learnによるレトロスペクティブを行ってみたので、そのレポートを記事にしてみました。

※このブログは2分22秒で読めます。

Fun/Done/Learnとは

後半に僕がチームと実際にどのように進めたかを書いてあるのでここでは要点だけをお伝えしますが、Fun/Done/Learnとは、この3つの軸でチームがやったことをグルーピングしていくことでレトロスペクティブを行うアクティビティです。

正直僕はFun/Done/Learnというアクティビティを聞いたこともありませんでした。

現在プロジェクトを一緒に進めている日本側のスクラムマスターの方から教えてもらってこの言葉を知りました。

Fun/Done/LearnはScrum Coaches Retreat in Okinawaに集まったアジャイルコーチたちが作られたようです。その様子は、こちらの記事に書かれてありますので合わせて読んでください。

ではなぜそんな僕が実際にFun/Done/Learnをつかってレトロスペクティブしてみようと思ったのかを次でお話します。

実際にしてみようと思った経緯

冒頭でもお伝えしたとおりこれまで僕はレトロスペクティブといえばKPT(ケプト)でした。実は結果的にFun/Done/Learnを試した今回のスクラムチームでもスプリント15くらいまではKPTでスプリントレトロスペクティブを行っていました。

その中でKPT自体には問題なかったんですが、さすがに毎週KPTを行うことを15回も繰り返していると僕たち自身に飽きがでてきていました。メンバーからパラパラと何か違う方法はないのかという意見があがったり、振り返り中につまらなさそうで集中できなくなっているメンバーがポツポツと出始めてました。

ちなみに、KPTがつまらなくなってきた理由は大きく分けて2つあったと考えています。1つ目は飽きです。1つの振り返りのフレームワークを15週間変わらず続けていたので、普通に飽きました。

2つ目は問題が少なくなっていた点です。基本的にKPTの性質上、チーム内で起こった問題をベースに考えそれを起点に改善を進めていきます。なので、マイナスのことを0にする動きをするのにはとても適しているんですが、問題がないチームからより付加価値を発揮していくみたいなチーム作りのときには、KPTだとあまりうまくいかない印象をもちました。

僕たちのチームはスプリントを重ねる毎に問題点が減ってきていたので、幸か不幸かKPTの振り返りでは改善に対する効果が出にくくなってしまったのではと考えています。そんな状況が続いたので、プロジェクトを一緒に進めている日本側のスクラムマスターの方に何かオススメのレトロスペクティブないですかと相談してみたところ、Fun/Done/Learn試してみたらと提案をいただきました。

スプリントレトロスペクティブにはさまざまな手法がありますが、前出のKPTの性質の話でも上げたように多くの手法が問題解決を起点に考えられているものが多く、「楽しさ」にフォーカスした手法は驚くほど少ないらしいです。そんな中、Fun/Done/Learnの手法は対話をしながらチームが前向きになり、問題解決起点ではなく、ワクワク起点でアクションを考える性質があるとのことでした。

まぁFunとLearnというポジティブワードが全面に押されているのもあって、楽しそうかなと思ったのと、ちょうどKPTとの倦怠期を迎えていたので角度を変えたレトロスペクティブをしてみたいと思ったので、実際に試してみました。

ここからは実際にどのようにやったかを書います。どんな雰囲気でやったのか、というのも伝われば幸いです。

この記事の前提

この先に進む前にこの記事の前提をお伝えしておきます。あくまでこの記事は僕たちの「体験レポート」としてお読みください。Fun/Done/Learnを紹介してもらってやってみたものの、手探り状態の中で試しました。

また、僕たちのチームはグローバル色豊かで日本人とベトナム人が混合して振り返りをおこなっているので、そのあたりでも少しやり方や受ける印象も変わってくると思います。その辺りも踏まえて読んで頂けると幸いです。

では実際の流れに移りましょう。

実際の流れ

実施における前提

今回、下記の条件でFun/Done/Learnを行いました。

実施者:ベトナム人9名、日本人1名(僕)
ファシリテーター:全体ファシリは僕が英語で実施(ちなみに英語はペラペラです。)

全体の流れ
1, 出来事ややったことをみんなにGoogleスプレッドシートに書いてもらう: 5分 
2, それらを書いたメンバー以外で1つ1つFun/Done/Learnに分けていく: 10分 
3, Fun/Done/Learnの定義について話し合ってもらう:10分 
4, それをもとにもう一度貼り直してもらう: 5分 
5, スプリント全体としてどの位置だったかを話し合ってもらう: 5分 
6, その位置にいくためにテーマを選択する: 5分 
7, それから改善案を考え、アクションに落とし込む:10分 

実践レポート

本当は実施する前にこの手法の目的等は説明した方がよかったのですが、今回はそこはわすれていたので、その説明なしで進めました。基本的には冒頭の参考リンクに沿って行いました。

まず、「1, 出来事、やったことをみんなにGoogleスプレッドシートに書く」を実施しました。僕たちは海外のクライアントとお仕事することが多く、ふりかえりの際は紙をつかわないでクラウドで行うことに慣れていることもあって、洗い出しはGoogleスプレッドシートで行いました。実施された方のブログなどをみるとほとんどの方が大きな模造紙とポストイットを使って行っていますね。そちらが主流だと思います。

ざっと洗い出したのがこんな感じです。

内容はみせれないので隠していますが、今のスプリントで何をしたかを最低3つ書き出してもらうようにしました。

↑考えている様子。

制限時間5分で一通り書き出したら次はそれらをFun/Done/Learnにわけていきます。

この3つの軸はガイドに沿って円を3つ作ってそこにペタペタ貼っていく形式で行いました。模造紙を使わず僕のほうでmiroを使用して3つの軸を作成しました。(上のイメージを参照)

洗い出された「今スプリント何をしたのか?」をmiro上に3つの軸を円でつくり付箋機能をつかってペタペタ貼っていきました。それが下のイメージです。

仕分けるときは深い話し合いをしてもらいたかったので、ファシリテーションだけ僕がして後はメンバーに母国語のベトナム語を使って話し合って仕分けしてもらうようにしました。

分けた後に完結理由を英語か日本語で説明してもらうという感じです。もし何か引っかかるところがあればその都度僕から英語で質問しました。日本人だけでやるときよりはコミュニケーションコストはどうしてもかかると思います。

仕分けの最中はFun/Done/Learnはメンバーそれぞれの感覚だったので、仕分け後にFun/Done/Learnそれぞれの定義を話合って決めてもらいました。

話し合って決まった定義が以下です。(めっちゃシンプル!!)

Done:完了できたもの 
Fun:やったことや結果で満足感を得たり、楽しいと思ったら 
Learn:するときに勉強できる、今後もそれがもっと勉強になると思ったら

決めた定義をもとにもう一度仕分けを行いました。それによっていくつか付箋の位置は変わりました。

話し合ってFun/Done/Learnのそれぞれの定義を明確にしたものを見ると、当たり前のことが書かれているように見えますが、定義後の再仕分けで付箋の位置が変わったことから感じたのは、チーム内での共通認識を強固にするには頭の中を可視化することの重要性でした。やはり言葉の定義って大切ですね。

スプリント全体としてどの位置だったかを話し合いました。

上のイメージにあるように全体的にみると僕のチームはFunとDoneが重なるところという印象でした。見積もり通りに作業を終えれたり、クライアントからアプリの質を褒められたり、不具合対応が迅速だったりと、達成感が楽しさに繋がっていたようです。

そのあとは、自分たちはどの位置にむかっていきたいかという話し合いを行いました。満場一致で真ん中でした。Fun/Done/Learnの一番バランスがいいところですね。

Funにいくかな〜とか少し思っていましたが、みんなプロフェッショナルでした!!

やはりやることはしっかりやってその上で、自分たちのレベルよりも少し上のことに挑戦し学びと達成感をえることで仕事が楽しくなるのだな〜という印象を受けました。

本当だったらここから「6, その位置にいくためにテーマを選択する」に進むんですが、実はここに行く前に時間切れになってしまいました。

まとめ

というわけで、Fun, Done, Learnを多少海外風にアレンジしてやってみたのですが、その感想です。全体的にメンバー同士のコミュニケーションがKPTをやっていたときよりも多かった印象を受けました。

一緒に言葉の定義をしたり、他のメンバーの上げた内容がFun/Done/Learnのどれにあたるのかなど、議論する機会が多かったと思います。また、洗い出すための切り口が「今スプリント何をやったか?」なので、切り口が異なるだけでメンバーがあげてくる内容も少し変わっていたのでその点も面白い点でした。

しかし、時間切れになってしまったのでちゃんとこのフレームワークをやりきれなかった後悔はあります。また、KPTのようにKeepであがったことをよりよくするには、Problemであがったことを解消するには、という具体的なアクションに落とし込みやすいのに対して、Fun, Done, Learnは「行きたい方角は決まったけどじゃ何をしたらいいかな?」という感じでアクションを決めていくのでそこがまだまだ慣れないところだなと感じました。まぁ総じて、今回僕たち自身に飽きがでてきていたこともあり、何か気分転換になるものという感じで取り組みましたがその点ではとても効果的だったと思います。ご興味ある方は是非試してみてください。

Enlytについて

株式会社Enlytはベトナムに開発拠点SupremeTechを持ち、Enlytではこれまで50以上の開発プロジェクトを行ってきました。( 株式会社Enlytの実績は開発実績ページから)ベトナムと日本のグローバルなチームで、数多くのプロジェクトを成功に導いてきました。

アジャイル開発をご検討の際は、株式会社Enlytまでご気軽にお問合せください!お客様の納得のいくまで、共に開発させていただき、アイデアを最高のかたちにサービス化いたします。

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