【知らないと損】オフショア開発のプロジェクトマネージャーの役割とは?プロジェクト管理において必要なこと
海外とのやりとりが発生するオフショア開発では、日本語が話せるブリッジSEが窓口となり、日本側の担当者と現地エンジニアの間を取り持ち、進捗管理まで行うのが一般的ではないでしょうか。
しかし、株式会社Enlytの開発チーム体制には、お客様の窓口となるディレクターや、実装をするエンジニアとは別に、現地PM(プロジェクトマネージャー)が存在します。
なぜ、役割を分けているのか?PMは実際何をしているのか?など、開発拠点のベトナム人PMに直接聞いてみました!
目次
プロフィール
Tri Nguyen T. | Supreme Tech Co., Ltd Project Manager
ダナン工科大学情報技術学部のソフトウェア専攻を卒業。 Androidエンジニアとして3年間働いた後、Androidリーダーになったことをきっかけにマネジメントに興味を持ち始め、PMへ転身。7人〜30人くらいのものまで、様々な規模のプロジェクトを10件以上担当した経験を持つ。
オフショア開発拠点のベトナム人PMの仕事って?
PMの役割
すべてのプロジェクトでは、時間・お金・スコープのバランスが保たれています。品質の良いプロダクトを生産するため、プロジェクトにおいてこの三角形のバランス*が崩れないようにすることがPMの役割です。
*プロジェクトの三角形 「鉄の三角形」とも言われる。三角形を保つには、一辺の長さを変えたら他の一辺の長さも変える必要がある。同様に、品質を保つために、時間・お金・スコープのうちどれかを変更する場合は、他の2つのうち1つの要素も変更しなければならないという考え方である。 例:納期に間に合わせる (時間) には、費用をかけてリソースを増やす (お金) か、機能を減らして (スコープ) 作業を減らす。 ソフトウェアやシステム開発の手法の一つで、アジャイルでは小さな機能ごとに計画・設計・開発・テストの工程を反復し継続的に行います。機能ごとに開発が完結するため、開発途中の仕様変更等への柔軟な対応が可能です。
PMは、スケジュール管理、リスク/イシュー管理、リソース管理、ワークフロー/コミュニケーション/チームワーク管理等を行い、プロジェクトが最初から最後まで以下の段階通り、スムーズに進むことを担保します。
立ち上げ> 計画 > 要件定義 > デザイン > 実装 > テスト > メンテナンス > クロージング
弊社PMの典型的な一日の仕事内容
- 出社後メールやSlackをチェック、返信
- デイリーミーティングが始まる前に各プロジェクトの進捗を確認
- プロジェクトメンバーとのデイリーミーティング
・各メンバーからの報告により、障害、問題、リスクを確認。チームメンバー間の連携が滞りなくスムーズであるかどうかをチェック。
・進捗を確認しスケジュールに間に合わない場合、チームメンバーと相談し解決方法を見つける。 - アジャイル開発を取り入れているため、プロジェクトの計画に応じてプランニングや振り返りミーティング等のイベントを実施。
※アジャイル開発について詳しく知りたい方は、ぜひ下記の記事もご参照ください!
【意外と知らない】アジャイル開発/スクラム開発の1日の流れ|オフショア開発だからこそ特に意識しているコミュニケーション - 翌日のチームメンバーの作業をチェックし、実装を始める前の準備が整っていることを確認。
(例:デザインに問題がないか、仕様が明確であるか、ロジックが合理的であるか、技術的に何か困ることがないか、クライアントに何かリクエストが必要かなど) - プロジェクトの進捗、状態、発生した問題をディレクターに報告。全ての情報がクライアント⇔チーム間で明確であることを担保する。
ディレクターとPM、どう違う?チーム内の役割について
開発チームの構成
基本的に、弊社の開発チーム構成は以下の4段階のレイヤーとなっています。1から4へ、4から1へと情報が流れるコミュニケーションフローです。
1: クライアント
2: ディレクター/PM
3: TL(テクニカルリーダー)/QCL(クオリティコントロールリーダー)
4: エンジニア/QC(クオリティコントロール)
ディレクターとPMの違い
ディレクターはプロダクトの要件・仕様に責任を負うのに対し、PMはチーム管理、プロジェクト進捗管理に責任を持ちます。責任の範囲は分かれていますが、どちらもプロジェクトをうまく軌道に乗せるために調整する仕事であるという点においては同じです。
役割を分けることによるメリットは、それぞれの領域に対する専門性が高まり、効率が良くなることだと思います。プロジェクトを一人で管理していると、その人に負荷が集中してボトルネックになってしまう恐れがあります。そうなればプロジェクトの進捗に悪い影響をもたらしかねません。
責任の範疇が明確に分割されていれば、それぞれの責任範囲に集中することができます。
プロジェクトの成功のために、PMとして心がけていること
プロジェクトマネジメントにおいて大切にしていること
PMは、プロジェクトの全てのバランスをとるため調整する方法をいつでも考えなければなりません。人の管理、時間/進捗管理、リスク管理など、全部が大切です。全てをうまく管理することで仕事が順調に進み、プロジェクトの進捗が担保できます。
強いて言えば、一番大切にしているのは人の管理です。チームのモチベーションを上げて快適な仕事環境をつくること、各メンバーごとの役割と責任を念押しすることを心がけています。そのおかげで、メンバー全員がプロジェクトに全力を尽くしてタスクを完了できるのです。
プロジェクトマネジメントの難しさ
私は複数のプロジェクトを同時に管理していますので、バランスをとることが難しいと感じることもあります。管理しているプロジェクトが多ければ多いほど情報を見逃すことに繋がります。
その対策として、Trelloのような管理ツールを利用して優先度に応じて各プロジェクトの状況をすぐに把握できるようにしたり、ディレクターやTLにも状況を把握してもらうようにし、こまめに進捗を聞くようにしたりしています。
また、締め切りが近い状況で問題が発生すると大変です。
そのようなことが起こった場合はすぐにミーティングを開き、チームで一緒に根本的な原因と解決策を探ります。解決策が見つかったら、次のアクションを[who,what, when, how]に落とし込んで実行します。さらに、緊急性、必要性に応じてワークフローを変更し、PMが直接クライアントとコミュニケーションをとることもあります。私は性格的に我慢強くて忍耐強い方なので、乗り越える方法を見つけるまで諦めず最後まで考え抜きます。
日本人とワンチームで働いてみて、思ったこと
これまで、多くの日本人ディレクターや日本人クライアントと一緒に働いてきました。
一つ、今でも覚えているエピソードがあります。Androidエンジニアとして働いた頃のことです。
当時のプロジェクトでは、日本人のクライアントにコードをレビューしてもらっていました。その際、ドット、コンマ、括弧など細かい部分まで熱心に詳しくレビューしていただき、コードに何か正しくないものがあったら、明確に解決方法を教えてくださいました。
その姿勢に感銘を受け、何かに取り組む時は、自分も慎重に細心の注意を払って取り組むように心がけています。
また、弊社の日本人ディレクターは非常に責任感が強く、仕事も常に細やかで正確です。幸運なことに、私の性格も日本人のこのスタイルと一致しています!
日本人からたくさんのことを学んだので、とても感謝しています。
まとめ
Enlytの開発チームには、Triのように日本の文化も理解している心強いPMたちが在籍しています。彼らがいることで、日本とベトナム、ワンチームでの安定した開発が実現できるのです。
伴走できる開発パートナーをお探しの方、ぜひこちらからお気軽にご相談ください。
また、こんなメンバーと協力して働いてみたいと思った方、Enlytでは新しい仲間を募集しています!Wantedlyの「話を聞きに行きたい」ボタンからご連絡ください!
Enlytについて
株式会社Enlytはテクノロジーの進化と時代の変革に応じて新しいアイデアとサービスを創出することで、世の中に新たなビジネスチャンスを提供するテクノロジー集団です。
Enlytは少数精鋭のメンバーのため、積極的なメンバーが活躍できる機会が多分にあり、日々自己の成長を実感することができる環境があります。年齢・性別に関係なく、和気あいあいと業務をしている会社の雰囲気は、THEベンチャー企業という雰囲気が味わえます。
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