 
								NFCとFeliCaの違いとは?非接触通信の基本とビジネス活用の最前線
「NFCとFeliCaって、何が違うの?」
スマホの設定画面や電子マネーの説明でこの2つの言葉を見かけて、違いがよくわからず調べている方も多いのではないでしょうか。
NFCとFeliCaは、どちらもタッチするだけで通信できる便利な技術ですが、成り立ちや性能、活用される場面には違いがあります。
また、FeliCaはNFCの一種であるという関係性も、混乱の原因になりがちです。
本記事では、NFCとFeliCaの違いや、スマホの対応状況、利用シーン・ビジネス活用の具体例などを解説します。
さらに、NFC活用の最新事例として、弊社Enlytが提供するLINEポイントアプリを紹介します。
「実際に自社でどう活用できるか」までイメージが広がる内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
NFCとFeliCaの違いとは?
NFCとは?
NFC(Near Field Communication)は、スマートフォンやカードを「かざすだけ」でデータの送受信ができる近距離無線通信技術です。
NFCの通信距離は10cmほどと短いですが、その分セキュリティ性が高く、日常的なシーンでの活用に適しています。
NFCにはいくつかの種類(規格)があり、主な規格・用途は以下の通りです。
| 規格 | 主な用途 | 
| Type-A | 欧米のICカードや公共交通系など | 
| Type-B | パスポート、マイナンバーカードなど | 
| Type-F(FeliCa) | 日本の電子マネーや交通系ICカードなど | 
NFCはISO(国際標準化機構)により規格化されており、世界中の製品やサービスに広く使われています。
通信には13.56MHzという周波数帯を使い、データを即時送受信できるのが魅力です。
NFCは応答即時性や安全性から、決済や認証、情報共有などさまざまな用途に活用されています。
FeliCaとは?
FeliCaとは、NFCの規格の一種で、ソニーが1990年代に開発した非接触技術方式です。
FeliCaは、約0.1秒で通信できる高速な応答性や、独自の高いセキュリティ技術が特徴で、日本や香港などアジアの一部地域で普及しています。
日本ではSuicaやPASMO、楽天Edy、iD、QUICPayなど、日常でよく目にする多くのサービスに採用されています。
ただし、FeliCaはソニーの特許技術であり、専用チップやライセンスが必要になることから、グローバルな汎用性や導入コストなどの点でやや制限がある技術と言えるでしょう。
技術的な位置づけの違い
NFCとFeliCaの特徴・関係性をまとめると以下のようになります。
- NFC:世界中の多くの国で利用されている近距離無線通信の国際標準規格。汎用性が高い。
- FeliCa:NFCの規格の一つに分類される日本発の独自技術。高速・安全性に特化。
このように、FeliCaはNFCという国際規格の一部であり、両社は対立する技術ではありません。
海外ではNFC Type-A/Bが汎用性の高さから普及したのに対し、日本では処理が極めて高速なFeliCaが交通・決済インフラとして深く浸透していきました。
NFCとFeliCaは「規格全体」と「規格内の一つのタイプ」という関係であり、今日のスマートフォンでは、国際標準のNFC(Type-A/B)と日本のFeliCa(Type-F)の両方に対応することで、国内外のさまざまな非接触サービスを利用可能になっています。
NFCとFeliCaのスマートフォンの対応状況
今やスマートフォンへのNFC/FeliCa搭載は当たり前となり、キャッシュレス決済や交通機関の利用に欠かせない機能です。
しかし、AndroidとiPhoneでは対応状況が異なるため、それぞれの対応状況を簡潔に解説します。
Androidの対応状況
多くのAndroid端末では、NFC(Type-A/B)とFeliCa(Type-F)の両方に対応し、さまざまな電子マネー・交通系ICカードなどを利用できます。
NFCでの決済やNFCタグの読み取りには、端末設定でNFCを有効にする必要があります。
ただし、海外メーカー製などの一部機種ではFeliCaに非対応の場合があるため注意が必要です。
FeliCa非対応の端末では、SuicaやPASMO、楽天Edyなど国内の主要な決済サービスを利用できません。
iPhoneの対応状況
iPhoneにおけるNFCおよびFeliCaの対応は、モデルによって異なります。
iPhone7以降のモデルでは、NFCに加えてFeliCa(NFC-F)にも対応し、Apple PayでSuicaやPASMO、iDなどの主要な電子マネーが利用可能になりました。
また、iOS13以降ではNFCタグの読み取り機能も強化されています。
このアップデートによって、専用アプリなしでもiPhoneをNFCタグにかざすだけでWebサイトにアクセスしたり、情報を取得したりなど、決済以外の用途にも活用の幅が広がっています。
NFCとFeliCaの利用シーンの違い
NFCとFeliCaは、どちらもかざすだけで通信できる便利な非接触技術ですが、実際に使われるシーンには違いがあります。
ここでは、NFC(Type-A/B)とFeliCaがそれぞれ使われる場面と、両社が混在しているケースの3つに分けて、具体的に解説します。
NFC(Type-A/B)が活用される主な場面
NFC Type-AやType-Bはグローバルに採用されている通信規格で、特に海外や国際機関が採用する用途に強みがあります。
- 海外のタッチ決済(Visa・Mastercard)
 日本でも使われるクレジットカードのタッチ決済「Visaのタッチ決済」「Mastercardコンタクトレス」などには、NFC Type-A/Bの技術が採用されています。
- パスポート・IDカード
 ICチップが搭載されたパスポートは、国際規格(NFC Typ-B)に従って情報が格納されており、入国審査時に読み取られます。
- 在庫管理・物流・トレーサビリティ
 NFCタグを商品や資材に貼り付けることで、物流のトラッキングや倉庫管理を効率化できます。スマホで簡単に読み取れるため、専用機器が不要な点が魅力です。
このように、NFC Type-A/Bは「情報を読み取る」ためのタグ技術として活躍の場が広いのが特徴です。
FeliCaが活用される主な場面
FeliCaは日本国内で広く普及しており、特に高速性やセキュリティ性が求められるシーンで活用されています。
- 交通系ICカード(Suica・PASMO・ICOCAなど)
 FeliCaはNFC規格の中で極めて高速に通信します。処理速度はおよそ0.1秒以下とされ、改札の混雑を防ぐのに適しています。
- 電子マネー決済(楽天Edy・iD・QUICPayなど)
 オフラインでも利用可能な設計で、自動販売機やコンビニなどでも使われています。
- 社員証・学生証・入退室管理
 オフィスビルや大学のゲートなどで、FeliCaを用いたICカードが入室ログの取得・セキュリティ管理を実現しています。
日本国内で「タッチ=即時反応」が求められるシーンでは、FeliCaがスタンダードな技術として普及してきました。
両者が混在する場面
現代のスマートフォンや電子決済システムでは、NFC TypeA/BとFeliCaの両方を使い分けるケースも増えています。
- Apple Pay / Google Pay
 これらの決済プラットフォームは、内部で使用する通信方式を自動で切り替えています。- Apple PayでSuicaを使う → FeliCa
- Apple PayでVisaタッチを使う → NFC Type-A
 
- Apple PayでSuicaを使う → FeliCa
- マルチ決済対応のリーダー端末
 コンビニなどのレジでは、FeliCaとNFC Type-Aの両方に対応したリーダーが設置されており、電子マネーの種類に応じて自動で通信方式が切り替わります。
- スマートフォンのNFCチップ
 iPhoneや多くのAndroid端末は、NFC Type-A/B/Fすべてに対応し、「どの端末でもユーザーが便利に使える」設計が進んでいます。
利用シーンごとの技術比較表
| シーン | 主な技術 | 特徴 | 
| 日本の電車・バス | FeliCa | 高速、オフライン可、安定性高 | 
| 海外のタッチ決済 | NFC Type-A/B | グローバル規格、対応カード多 | 
| 社員証や入退室管理 | FeliCa | セキュリティ重視 | 
| 在庫・物流管理 | NFC Type-A/B + NFCタグ | 汎用性、読み取りコスト低 | 
| スマホ決済(Suicaなど) | FeliCa | 日本独自規格への対応 | 
| スマホ決済(Visaタッチなど) | NFC Type-A/B | 国際ブランドと連携 | 
このように、NFCとFeliCaは技術的には近くても「使われる場所・目的」によって明確な棲み分けがされています。
特にビジネスでの活用を検討する場合は、「即時性」「国際対応」「コスト」「拡張性」などの観点から、自社に適した規格を見極めることが重要です。
Enlytの提供するNFCを活用したLINEポイントアプリのご紹介
Enlytでは、NFCタグを活用したLINEミニアプリを自社開発し提供しています。
このミニアプリはLINEユーザーならば誰でも利用でき、NFCタグにスマホをかざすだけでLINE上でポイントを獲得できます。
貯まったポイントはアプリ内でクーポンに交換し、実際のサービスや商品と引き換えることができる仕組みです。
今後期待しているLINEミニアプリの活用事例
- 飲食店のスタンプカード
- 観光施設での限定コンテンツ配布
- バス・鉄道など交通機関での利用ログ取得
LINEポイントアプリについて詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
→ [NFCを活用したLINEポイントアプリの詳細はこちら]
なぜFeliCaではなくNFCタグなのか?
Enlytが提供するポイントアプリでは、NFCタグを採用しています。
FeliCaではなくNFCタグを活用する最大の理由は「柔軟性とコストのバランス」の高さです。
ここでは、NFCタグを利用する技術的・運用的なメリットを詳しくご紹介します。
導入コストが低い
FeliCaを活用した仕組みは、専用のICチップや認証技術、読取端末との高度な連携が求められるため、初期費用やランニングコストが高額になる傾向があります。
また、FeliCa対応機器の設置や開発には、ソニーとのライセンス契約が必要になるケースもあります。
それに対してNFCタグは、1枚数十円〜数百円という低価格で調達できるのが魅力です。
タグの読み取りはNFC搭載のスマートフォンで代替可能なため、専用機器の購入が不要です。
これにより、スモールスタートや検証的なプロモーションにも適しており、中小規模の事業者でも無理なく導入できるでしょう。
ユーザーごとの挙動や表示内容をシステム側で自由に設定・管理が可能
NFCタグには、URLやテキスト、ID情報などを自由に書き込み、動的に管理するシステムを構築可能です。
つまり、読み取り時にアクセスログを取得できる仕組みと組み合わせることで、ユーザーごとに異なるコンテンツやクーポン、演出を出し分けられます。
たとえば、同じタグでも時間帯・ユーザー属性・アクセス回数などに応じて、以下のように挙動を変えることができます。
- 朝は「モーニング限定クーポン」を表示
- 新規ユーザーには紹介動画を表示
- リピーターには「限定スタンプ」付与
- VIPユーザーには「スペシャルクーポン」配布
- タグをタッチした回数でランクアップ
このようにパーソナライズされた体験を提供できる柔軟性は、NFCタグを活用する最大の強みのひとつです。
アプリ不要で汎用スマホに対応
NFCタグはスマートフォンの標準機能(iOS/Androidともに)で読み取りが可能です。
特にiPhoneでは、iOS 13以降からバックグラウンドでのタグ読み取りにも対応し、SafariでのURL表示などがスムーズに行えます。
これによって「専用アプリを入れる」というUXの壁を取り除き、ユーザー側の導入ハードルを大きく下げることが可能になります。
一方でFeliCaを活用したソリューションは、アプリとの連携が前提になりやすく、自社アプリを持たない企業には取り入れづらいと言えるでしょう。
まとめ:NFCとFeliCaを理解して、タッチ体験をビジネスに活かす
本記事では、NFCとFeliCaの違いや、スマホの対応状況、利用シーン・ビジネス活用の具体例などを解説しました。
FeliCaは日本国内の決済や本人確認に特化した高機能な通信技術である一方、NFCはより広い用途に使える国際標準の技術です。
Enlytでは、LINEと連携したNFCポイントアプリを通じて、顧客との新たな接点を創出しています。
スマートフォンとNFCタグを組み合わせた「タッチ型の顧客体験」をビジネスに展開してみてはいかがでしょうか。
ご相談・お問い合わせはこちらから
非接触技術を活用した集客・販促にご関心がある方、まずはお気軽にご相談ください。

 
  




 
				 
				

