【イケてるサービス入門】ゼロイチSaaSプロダクトToday.ly開発のフロー|今後の展望までを一挙公開
感染症対策や多様な働き方を支えるリモートワーク。その効率を格段にアップさせるツールとして仮想オフィスが現在注目されています。
弊社の開発拠点SupremeTechは仮想オフィス「Today.ly」を開発しました。実際のオフィスで働いているような体験を提供することで、オンラインでは失われがちな雑談や突発的な会議を活性化できると評価をいただいています。
今回はそんなToday.lyの開発について、代表のホアンに話を聞いてみました。
☑️ 開発のスタート ☑️ MVP版制作と改善 ☑️ Todaylyに使われている技術 ☑️ 競合に対する強み ☑️ 今後の展望
Today.lyとは?
企業向けの仮想オフィス提供サービスです。実空間のオフィスのように階層や部屋が分かれており、用途に従って移動しながら利用できます。社員の勤怠や部屋移動を視覚的に確認できる他、クローズドな会議や大人数でのイベントと様々な用途に対応できる柔軟さが評価をいただいています。
目次
開発のスタート
Today.lyの開発を決めたきっかけを教えてください。
2020年8月頃に構想し始めました。コロナの流行が始まっている頃ですね。
当時も既にアメリカでは仮想オフィスのツールが存在していました。しかし会議や音声での会話は仮想オフィス内で行えず、外部ミーティングツールに移動して行うと不便なものでした。もっと快適なUI/UXで、実際のオフィスと似たような体験の仮想オフィスを作れるのではないかと思い、開発を始めることにしました。
初期の開発はどのように進めましたか?
研究開発には2ヶ月ほど要しました。初期開発ではインフラ構成と音声コールシステムを制作しました。
音声コールシステムにはWebRTCをベースにしたオープンソースソフトウェアを使っています。採用したものがC言語で書かれていたのですが、幸いなことにチームにC言語の開発経験が豊富なメンバーがいた為、うまく技術検討と導入することができました。
サービスのコアとなる音声通話のR&Dができたところで、ワイヤーフレームレベルの画面を制作し、Today.lyのデモ版を作りました。まずは1対1、少人数で通話や画面シェアの機能をテストし、最終的には2、30人で同時接続をするテストを実施しました。テストの結果、いけると判断しMVP版の制作に踏み切りました。
※MVPとは: Minimum Viable Productの略。ユーザーへの提供に必要な主要機能のみを備えた製品のこと。一部のユーザーにのみ展開し、後続の開発の参考となるフィードバックも収集する目的がある。
初期の開発で気をつけられていた点はありますか?
スケールできるように設計をする点です。
リリース後のユーザー増加に耐えられること、また複数のサーバーを立てた場合にちゃんと分散ができることなどが検討要素としてありました。
MVP版制作と改善
MVP版の開発はどのように進めましたか?
デモの時点では画面のデザインはありません。UI/UXデザインはMVP版開発の時点で開始しました。体験のあり方や画面のデザイン、席の移動といったような機能の開発を行いました。
また開発は「アジャイル開発」を導入しています。1週間単位のスプリントに区切って開発することで細かく改善を行っています。毎週新しい機能や改善がリリースされています。
※アジャイル開発とは:短い開発期間を繰り返す開発方式。素早く柔軟に機能を実装することができる。
※スプリントとは:アジャイル開発の用語で、1週間~1ヶ月の短く区切られた期間のこと。この期間中にチームは一定量の作業を完了させる。
※アジャイル開発について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
これを読めばわかる!アジャイル開発基本用語集
MVP版のリリース後も開発は続いています。どんなユーザーに使ってもらっているのですか?
現在海外企業20社にご利用いただいています。アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、シンガポール、ベトナムと様々な国の企業です。日本でも十数社にご利用いただいています。開発チーム自身でも日常的に使い、使用感を確かめています。
様々な国のユーザーがいると、文化の違いもあり多様なフィードバックが寄せられます。開発チームが納得したものはすぐに反映してします。ただし元々予定していた機能の開発も進行していることもあり、全てに対応できるわけではありません。
競合サービスに対する強み
リモートワークが広がり、様々な仮想オフィスが続々とリリースされています。Today.lyの強みは何でしょうか。
強みは2つあります。入室できる人数の多さと、グローバル展開です。
Todaly.lyには現在、1つのオフィスに約160人が同時にアクセスすることができます。約32人分の席があるフロアを、1つのオフィスに対し5階分用意しています。階数を増やすことで入室できる人数も増やすことができます。
対して他のサービスですと1つのオフィスに対して20~30人程度しか入れず、雑談するくらいの用途でしか使えません。キャパシティを大幅に増やし、オフィスとして使用することをToday.lyでは目指していました。
また、Todaly.lyは海外の方とも一緒に利用することができます。元々日本だけでなく、グローバルに使っていただくことを念頭において開発していますし、開発チームも様々な国籍のメンバーが集まっています。もちろん日本向けのサポートも充実しています。
今後の展望
今後、Today.lyはどのように成長していくのでしょうか。
リアルなオフィスの良さと、オンラインならではの体験を合わせ持てるよう、様々な機能の追加を検討しています。
直近にリリースしたのが「ラウンジ機能」です。広いラウンジ空間の中を自由に移動でき、話したい相手に近づくことで会話を始めることができます。アイコン同士が近いと声が聞こえ、遠ざかると声も聞こえなくなっていきます。複数グループに分かれて会話をしたり、他のグループに合流したりとリアルな空間での会話体験を再現しています。とても楽しい機能なので、ぜひ試してみてください!
リアルなオフィスに寄せる機能で言うと、例えばオフィス訪問ができるようになったらどうでしょうか。企業のサイトからToday.lyのオフィス受付に入ることができ、アポイントの時間になったら商談や面接の部屋に通されます。
オフィス訪問はリアルなオフィスの利点ですが、会議室がすべて使われていて入れないなど不便な点もあります。オンラインなら、部屋はその場で新しく生成することができます。既存の会議ツールのように話す場所をその場で作り、会議が終わったら消すことができる機能を開発中です。
また、社員の活動をデータで追うことができるようになったら、オンラインならではの活用ができると思いませんか。積極的に働いている社員を表彰したり、オフィス内で使えるポイントを付与したり…将来的にはブロックチェーンの仕組みを導入したいと考えています。
まとめ
今回はToday.lyのこれまでの開発、そして今後の展望についてご紹介しました。
これまでになかった企業オフィスとしての用途に対応した仮想オフィス。MVP版のリリース後もフィードバックを受けながら改善を繰り返し、新しい機能も開発を進めています。
デモのご案内も可能ですので、ご興味をお持ちの方はお問い合わせフォームまでご連絡ください。
Enlytについて
株式会社Enlytはベトナムに開発拠点SupremeTechを持ち、これまで50以上の開発プロジェクトを行ってきました。ベトナムと日本のグローバルなチームで、数多くのプロジェクトを成功に導いてきました。
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