自分ごと化は意識から始めなくていい|5年かけて分かった、環境から変える方法
こんにちは。
フィリピンに住みながら、Enlytでフルリモート勤務をしている金子です。
早速ですが、皆さんに質問です。
初めての仕事をするとき、こんなふうに考えていませんか?
「まだ分からないのは当然。やっているうちに覚えていくだろう」
「時間が経てば慣れて、そのうちできるようになるだろう」
先輩と一緒に商談に出るような場面だとどうでしょう?
「先輩がリードしてくれるから、自分は特にやることはないだろう」
「先輩は知識があるから、スケジュール感なんかも考えてくれているだろう」
「そんなこと思ってない」と言いたくても、こういう意識で仕事をしている人は結構多いと思います。
少なくとも、僕はそうでした(笑)。
その結果どうなったかというと、時間が経っても変数の多い動きには対応できず、慣れないまま、できない仕事はできないまま…という状態に。
1つ1つの出来事に対して、「自分がやる・自分が考える」という意識、つまり、「自分ごと化」の意識が足りていなかったんです。
この記事では、30歳で海外留学業界からIT業界に転職し、毎日もがきながらマインドセットを修正してきた僕の経験をもとに、「自分ごと化して考える」ことの大切さを紹介したいと思います。
目次
そもそも「自分ごと化」とは
「自分ごと化」とは、「誰かがやってくれるだろう」という他力本願な視点を捨てて、当事者意識を持って物事に取り組むことです。ビジネス系のブログや本でもよく見かける言葉ですよね。この自分ごと化という言葉自体が苦手な人や気持ち悪いと感じる人もいると思います。
自分ごと化できると、指示待ちにならず、責任感を持って自分から動けるようになる。つまり、仕事のクオリティが上がる。これがよく言われるメリットです。

多くの人が、この言葉(または似たような言葉)を聞いたことがあると思います。でも、この言葉そのものを自分ごと化して、実際の行動にまで落とし込めている人ってどれくらいいるでしょうか。
僕の場合は、「聞いたことはある」うえに、前職の経験から「自分はできている」と思い込んでいました。一番タチの悪いパターンです(笑)。
それに気づかないままEnlytに入社。上司にレポートを上げるときも、プロジェクトについて議論するときも、把握しておくべきことを把握できておらず、何度詰められたか分かりません。
そんな中で言われたのが、この言葉です。
「これは別業界から転職したから、とかじゃなくて、物事を把握・理解しようとする姿勢の問題だよ」
それまでの僕は、「別業界だから仕方ない」「慣れるまで時間がかかる」と逃げていました。この一言をきっかけに、「どうしたら理解できて、結果にもつながるのか」と自分の問題に向き合い、対策を考える姿勢に少しずつ変わっていきました。
自分ごと化しないと起きる惨事
自分ごと化できていないせいで仕事に悪影響が出るケースは、いくらでもあります。
たとえば、あなたが営業で、先輩と一緒に商談に参加する場面をイメージしてみてください。
事前の社内打ち合わせは特になし。クライアントとの打ち合わせは先輩主導で進んでいきます。
「分からない話もあるし、議事録はそこそこ取っておこう」
「商談後の社内調整やその後の動きも、先輩が進めてくれるだろう」
そんなふうに思っていたとします。
そして商談後、先輩からこう言われました。
「あとの社内調整はよろしく。ミーティングに出てたから内容は把握してるよね。先方とも質疑応答して、次の予定を決めていって」
……「え」ってなりますよね。ここから、こんな動きが発生します。
- 何が話されていたかを必死に思い出し、議事録の修正に時間をかける
- 分からなかった箇所が多いので、改めて自分で調べて理解しようとする
- 次のアクションが具体的に分からないまま、なんとかイメージしてプランを立てる
- クライアントに失礼な質問をしてしまわないか不安で、質問を作るのに必要以上に時間をかける
…などなど、後からやることが山積みになって、時間も気持ちもどんどん圧迫されていきます。
では逆に、「もし自分がファシリテーションや社内調整をして全体を回すとしたら、何をしておく必要があるか?」と自分ごととして考えて、事前に準備していたらどうでしょうか。
- 事前に読んでおくべき資料を確認し、分からない用語を調べておく
- 打ち合わせのゴールや、普段どんなアジェンダで進めているのかを先輩に確認しておく
- 打ち合わせ後に動く必要がある事項を洗い出し、今のうちにやっておくべき社内調整を進めておく
…などなど、できることはたくさんあります。
ここまで準備ができていれば、商談後に同じことを言われてもすぐに動けます。分からない箇所があったとしても、どこが分からないのかが明確なので、ピンポイントで確認すればOK。時間を無駄にすることも、気持ちが追い詰められることもありません。
仕事のクオリティは上がるし、クライアントや社内との調整もスムーズになります。

このように、実際には自分が担当しないとしても、「自分がその立場だったら、うまく回すためにどうするか」を考え抜いて臨む。これができると、初めての仕事でも、自分ごと化していない人と比べて得られるものが段違いです。経験の長さに関係なく、いろいろな仕事をどんどんできるようになっていきます。
商談を5件こなしたとして、これをやる人とやらない人とでは、5件目の商談のクオリティもスピードも全然違うものになっているはずです。

どうやって自分ごと化するのか
では、実際に自分ごと化できるようになるには、何をすればいいのでしょうか?
改善されるまで指摘され続けた僕が学んだことは、大きく2つです。
僕の場合は環境を変えることを先にすることで自分ごと化が進みました。
① 環境を整える
意識を変えるだけで変われる人は、本当に優秀だと思います。でも僕はそうではありませんでしたし、ここまで読んでくださっている方も、きっと同じような悩みを持っているのではないでしょうか。
意識しようとしても全然足りず、求められる場面でもできていませんでした。30年かけて固まった考え方から抜け出すのは、めちゃくちゃ大変だったんです。
そういう人が根性だけで意識を変えようとしても、正直無理です。
上司からはこう言われました。
「自分だけではできないということを理解して受け入れて、それを補助する環境を作らないといけないよ」
自分で考えられなくても、無理やり自分ごと化せざるを得ない状況を作る。つまり「環境を整える」ことの大切さです。
実際に僕がやったのは、たとえばこんなことです。
- 上司・先輩・同僚にお願いして、週30分でもMTGの場を作ってもらい、アウトプットする。他の人の視点から指摘してもらうことで、自分では気づけないポイントを教えてもらう
- 商談の場など、自分が他力本願になりがちな場面が分かったら、あえて自分がその場面に入るように調整する(してもらう)
② 意識を変える
1つ目は、もちろん「自分ごと化しよう」という意識を常に持つことです。
そのタスク・商談・メールなどが、何を目的・ゴールにしているのかを理解する。そのうえで、「これを自分1人でやるとしたら?」とアクションの流れをイメージしてみます。
すると、こんな疑問が次々に出てきて、先回りして対策を立てられるようになります。
「なぜこれが必要なんだろう? いらないのでは?」
「事前に準備できることがあるとしたら何だろう?」
「いつまでにこの準備を終えて、いつまでにクライアントとの打ち合わせを設定する必要があるか?」
とはいえ、僕はそもそもその意識すら持っていなかったので、
「他の人がいると、すぐにその人がやってくれると思っちゃうでしょ。だからこれは自分で進めていって」
と、半ば強制的に自分ごととして向き合う環境を与えられていました。
最初は完全に「やらされている」状態です。でも、もう向き合うしかないので、そうしているうちに少しずつ意識が自分ごと化できるようになっていきました。
他人任せから、自分ごと化できる状態へ
正直に言うと、Enlytに入って約2年経っても他人任せなクセは抜けず、自分ごと化はできていませんでした。
- 自分が説明しないといけない場面なのに、概要しか把握しておらず、仕様についてはまったく説明できない
- 開発側からもらった情報を理解しないままバケツリレーして、社内やクライアントから質問が来たときに答えられない
こんなことを普通にやっていました。
そこから、入社して約5年。今ようやく「前よりはマシになってきたかな」と思えるようになりました。
振り返ってみると、この間ずっと、環境を自分で整えたり、周りに整えてもらったりしてきました。そういう環境に身を置いていると、嫌でも自分ごととして考えるようになります。そうしないと、また自分が辛い思いや恥ずかしい思いをすることになるので(笑)。
なので僕の場合、「①意識を変える」から始まったわけではありません。「②環境を整える」が先で、その結果として①の意識が後からついてきた、という順番でした。

ただ、ここまでやっても、根っこの部分は正直まだ腐っています(笑)。
気を抜くと、すぐに他人任せモードに戻りそうになるんです。
特に危ないのが、信頼できる人が進めてくれている、あるいは進めてくれそうなとき。
そういうときこそ「危ない危ない、自分が進めていく意識じゃないと」と自分に言い聞かせています。
そして「これ、今回は僕がメインで話してもいいですか?」と自分から手を挙げて、やらざるを得ない環境を無理やり作る。そうやって意識を保つようにしています。
こんなことをしなくても自然にできる人は、それで全然いいと思います。
でも、僕みたいに甘っちょろい人間は、自分に強制するくらいでちょうどいいんです。
もし「自分もそうかも」と思った方がいたら、まずは意識より先に、環境のほうから変えてみてください。
| 「30代ぽんこつPM成長記」について 30歳のとき、ITのバックグラウンドがまったくない状態から、開発プロジェクトのPM(プロジェクトマネージャー)に転職しました。 入社当初は、技術的なことよりも、仕事への姿勢や考え方、マインドセットの部分で上司から叱られてばかり。 いわゆる「ぽんこつ」状態でした。 それでも2年、3年、4年と続けているうちに、少しずつクライアントから頼ってもらえる場面が増えてきました。 振り返ってみると、Enlytに入ってから学んだことは、事業であるシステム開発の話よりも、 「どう考えるか」「仕事にどう向き合うか」といったマインドセットの話がすごく多いんです。 この「30代ぽんこつPM成長記」シリーズでは、そんな学びを失敗談も込みで書いていきます。 「周りと比べて、自分って仕事ができないな…」と不安になっている人に、何かひとつでも力になれたらうれしいです。 |
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