自分の性質、ちゃんと知ってますか?|マルチタスクが苦手なまま、仕事を回す方法
こんにちは。
フィリピンに住みながら、Enlytでフルリモート勤務をしている金子です。
早速ですが、皆さんに質問です。
今の仕事、こんな状態になっていないでしょうか?
「頑張ってやった仕事なのに、怒られる」
「タスク量でパンクしていて、なぜかいつも時間がない」
「時間をかけて作った資料のウケがよくない」
つまり、総じて仕事が上手くいっていない。楽しくない。
これ、能力の問題ではなく、自分の性格・考え方・仕事の仕方を分かっていないまま、闇雲に、でも真面目に働いているから起きているのかもしれません。
僕もEnlytに入ってからの約2年間は、まさにこの状態でした。自分では精一杯やっているつもりなのに、まったく結果が出ない。
前職では、自分の性質と業務の相性なんて深く考えず、ほぼ直感で働いていました。でもEnlytで働くうちにマインドセットが変わり、仕事の質が上がったと確信しています。
この記事では、そんな苦い経験から得た「どう自分の特性を理解して、仕事をラクにしていくか」を紹介します。
| 「30代ぽんこつPM成長記」について 30歳のとき、ITのバックグラウンドがまったくない状態から、開発プロジェクトのPM(プロジェクトマネージャー)に転職しました。 入社当初は、技術的なことよりも、仕事への姿勢や考え方、マインドセットの部分で上司から叱られてばかり。いわゆる「ぽんこつ」状態でした。それでも2年、3年、4年と続けているうちに、少しずつクライアントから頼ってもらえる場面が増えてきました。 振り返ってみると、Enlytに入ってから学んだことは、事業であるシステム開発の話よりも、「どう考えるか」「仕事にどう向き合うか」といったマインドセットの話がすごく多いんです。 この「30代ぽんこつPM成長記」シリーズでは、そんな学びを失敗談も込みで書いていきます。 「周りと比べて、自分って仕事ができないな…」と不安になっている人に、何かひとつでも力になれたらうれしいです。 |
目次
そもそも「自分の性質を知る」とは
「自分の性質を知る」とは、自分の考え方や仕事の進め方のクセを、良いところも悪いところも自覚している状態のことです。
ここで勘違いしやすいのが、「苦手を克服しよう」という話だと思ってしまうことです。僕も最初はそう受け取っていました。
でも、そうではありません。苦手なままの自分で、どう戦うかを考える、という話です。
今の仕事が最高に楽しくて幸せ、という人を除けば、働いている以上、やりたくない業務もやらなければいけません。しかも苦手意識があると、何をやっても上手くいかない。思考がネガティブに傾いて、そこから戻すのも難しい。
僕も完全にこの状態でした。苦手な業務を任されては、同じところでつまずいて怒られる。それを何度も繰り返していました。
苦手なのは変わらない。でも、自分がやらないといけない状況も変わらない。
そんな中で、上司から言われたのがこの言葉です。
「今できないことを改善するのはもちろん必要。でも、状況や意識を変えるのが難しいと認知したうえで、どうカバーする策を立てて実践していくかを考えないといけないよ」
要するに、できないなりの戦い方をしろ、ということです。
「克服しようとする」でも「逃げる・諦める」でもない、第3の道。これが「自分の性質を知る」ことの目的だと思っています。

性質を知らないまま働くと、どうなるか
具体例として、僕のダメな部分を出します。
僕は、マルチタスクが相当苦手です。
色んなものが同時に起こるとテンパるので、抱えている項目のうち1つが止まってしまう危険性が常にあります。
厄介なのは、なぜテンパるのかを紐解いていっても、この性質自体は変わらないということです。
性質を知らなかった頃の僕は、こうなっていました。
仕事が重なっても、とりあえず全部自分で抱える
全部に中途半端に手をつけて、どれも進まない
気づいたときには1つが完全に止まっていて、周りに迷惑をかける
怒られて焦り、さらにテンパって別のものが止まる
…という悪循環です。しかも本人は真面目にやっているので、なぜ上手くいかないのかが分からない。一番しんどいパターンです。
では、「自分はこうなる」と分かったうえで臨むとどうなるか。僕が実際に打ったカバー策は、こんな感じです。
今持っているタスクを洗い出し、ルーティンにできるところを探す。毎回突発的に発生していたミーティングを、担当者から週次レポートを提出してもらう形に変えて、緊急性を下げて定例業務にする
日中はメッセージやメールのやり取り、ミーティングで手一杯になるので、そこに集中する。作業の時間は就業時間外に取る(※これは暫定対応です。同じ時間内の仕事のクオリティを上げて、徐々に時間内に収めていく前提で実施しました)
ミーティングが複数入ると手が止まるので、早い時点でタスクの振り先になる人を考えて、先に相談しておく

見ていただいて分かるように、これらは「テンパる性質があるからその仕事をしない」という逃げでも、「仕方ないからこのまま続ける」という諦めでもありません。
負の性質を受け入れたうえで、どう付き合いながら仕事をしていくかという、建設的な解決策です。
ただ、正直に言うと、この策は自分1人では出てきませんでした。そもそも考えてすらいなかったですし、1人で考えても「気をつけます」くらいで終わっていたと思います。
皆さんの業務で上手く回っていないものについても、どうしたらカバーできるかを考えて、周りの人にも聞いてみてください。自分だけだと、どうしても想像の限界があるので。
あと、相談先は人だけではありません。今はAIがあるので、状況と自分の性質をそのまま伝えて、一緒に考えてもらうのがいいと思います。僕も最近は、まずAIに壁打ちしてから人に相談するようにしています。
どうやって自分の性質を知るのか
では、実際に自分の性質を理解するには何をすればいいのでしょうか。
ただ、その前に知っておいたほうがいいことがあります。
人間の脳は、そもそも自分を正当化するようにできている、ということです。
失敗したときに「あのときは情報が足りなかったから仕方ない」「相手の言い方も悪かった」と、理由を別のところにすり替える。これは性格が悪いからではなく、自分の精神を保つための働きなんだそうです。
つまり、放っておくと自分の性質は見えないのが普通です。意志が弱いからでも、鈍いからでもなく、脳がそういう作りになっている。
だからこそ、気合いで内省するのではなく、見えるようにするための方法を用意する必要があります。僕は大きく分けて2つあると思っています。
① 過去の業務経験からの統計(主観)
1つ目は主観的なアプローチです。
過去にしたバイトや勤めた会社で、苦手だった仕事内容や怒られたことを書き出して、共通項を見つける作業をします。
そこで「これってずっと続いているな」「変えようと思ったけど変わっていないな」と感じるものが出てきたら、それはもう受け入れたほうがいいと思います。
僕のマルチタスクもそうでした。サービス業でアルバイトをしていた頃から、忙しくなるとパニクる自覚はあったんです。何年も前から同じことが起きていたのに、ずっと見ないふりをしていました。
② 上司・先輩・同僚からの評価(客観)
2つ目は客観的なアプローチです。
今一緒に働いているメンバーに「ぶっちゃけ、私の仕事の仕方でマイナスなところってどこ?」と聞いてみる。他人から見えている評価を知ることは、自分が気づいていない性質に気づくきっかけになります。
複数人が同じことを言うようであれば、それはもう周りの印象としてそうなっている、ということですよね。
僕の場合、「複数の事象が同時に起こるとパニックになる」以外にも、
自分に甘く、やると決めたことに対するコミットが弱い
ミーティングで詰められると、その場を逃れる回答をする傾向がある
人の評価を気にして、悪い評価を得たくないということが行動の起点になっている
…などを、かなりストレートに言われました。
書いていて改めて凹みますが(笑)、自分のネガティブな部分を認めるのは本当に辛いです。それでも、これらも性質として受け入れたうえで、カバーする策を立てる必要がありました。
ちなみに、最近はこれをAIともやっています。
やり方は簡単で、自分の言動や書いた文章をそのまま貼って、「この進め方だと、どんなクセが出ていそうか」「第三者から見たらどう映るか」を聞くだけです。人に見てもらう前に、自分でセルフレビューができます。
一番いいのは人に聞くことですが、正直、毎回時間を取ってもらうのは気が引けますよね。その点AIは何回でも付き合ってくれますし、こちらが凹むかどうかを気にせず指摘してくれるので、自分では気づけない視点を拾うには十分だと思います。

この2つを重ねたときに両方から見えてくるものが、「もう変わらないクセ」である可能性が高いです。そこから手をつけるのが一番効率がいいと思います。
自分で自分を理解して、自走できる状態へ
正直に言うと、ここまで書いてきた性質は、今もほとんど変わっていません。マルチタスクは相変わらず苦手ですし、気を抜けばその場を逃れる回答もしてしまいます。
変わったのは、性質そのものではなく、性質が出る前に手を打てるようになったことです。
新しい仕事を受けるとき、「この進め方だと、自分のどのクセが出そうか」を先に考える。危なそうだと思ったら、始める前に振り先を相談しておく。パンクしそうになったら、早めに「今テンパってます」と言う。
もうひとつ変わったのが、仕事の最中に気づけるようになったことです。
資料を作りながら、会議で話しながら、「あ、今これが発動してるな。まずいまずい、ここで曖昧に答えたらまた同じことになる」と自分にブレーキをかけて、その場で軌道修正する。
以前の僕は、こういうことが一切できませんでした。自分がどうなるか分かっていなかったので、毎回同じところで同じように転んでいたんです。
とはいえ、毎回うまくいくわけではありません。30年もヌルいマインドで生きてきた人間が、そうそう簡単に変わるわけがないんです。会議を失敗したまま終えることも、普通にあります。
ただ、同じ失敗でも、「なぜ失敗したのか分からないまま終わる」のと、「やっぱりこのクセが出たから失敗したな」と自覚して終わるのとでは、次への繋がり方がまったく違います。
前者は同じことを繰り返すだけですが、後者なら、次に同じ場面が来たときに「ここだな」と身構えられます。
さっき書いたとおり、脳は放っておくと正当化しにきます。「今日は相手の機嫌が悪かっただけ」で片付けるほうが、確実にラクなんです。それでも「いや、自分のアレが出たな」と認める。しんどいですが、ここを飛ばすと何も積み上がりません。
ここまで来るのに何年もかかりました。自分のクセを言葉にできるようになるまでが長かったですし、それも結局、周りに指摘してもらいながらだったので。

もし「自分も当てはまるかも」と思った方がいたら、まずは紙に過去の失敗を書き出すところからでいいと思います。そのうえで、信頼できる誰かに「ぶっちゃけどう?」と聞いてみてください。
自分のダメなところを直視するのはしんどいですが、知らないまま闇雲に頑張り続けるより、ずっとラクになります。
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