Web3.0のビジネスモデルとは?注目される技術や分野を紹介!
Web3.0のビジネスモデルについてこんな悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか?
- Web3.0のビジネスモデルが分からない
- Web3.0のビジネスモデルが注目されている理由が分からない
- Web3.0のビジネスモデルに何があるのか分からない
この記事を読めばこれがわかる!
☑️ Web3.0が注目される理由 ☑️ Web3.0で注目される技術や分野 ☑️ Web3.0のビジネスモデル事例
この記事を書いている私は、現在フィリピンに住みながらEnlytでデザイナーとWebディレクターとしてフルリモートワーク勤務をしています。
目次
Web3.0とは?Web3.0でのビジネスが注目される理由
Web3.0とは
Web3.0とは、ざっくり言うと「ブロックチェーン技術を基にした新しいインターネット」です。
Web2.0以前は、中央集権システムであり「情報が集中して蓄積されていくシステムであるため、サイバー攻撃やトラブルなどが起きると、そこから大量の情報漏洩が起きる可能性がある」という点が問題視されていました。そのため、Web3.0では、非中央集権システムを構成し、誰でも情報を安全に管理できるインターネットとして新たに開発されました。
▼Web3.0について詳しく知りたい方はこちらからご覧ください▼
Web3.0がビジネス分野で注目される理由
近年、Web3.0の活躍は様々な分野において期待されており、関心が高まっています。
クラウドエース株式会社が実施した『Web3.0 と事業推進に関する意識調査』では、「あなたは、今後 Web3.0 を活用し事業の推進・開発をしていきたいと思いますか。」という質問に回答者110人中約9割が前向きな意向を示していました。
以下、Web3.0がどのような理由で注目されているのかを詳しくみていきます。
- より高いセキュリティで取引ができる
Web2.0以前のインターネットでは、取引履歴などのデータがサーバーに保存されており、個人情報が一ヶ所に集約されてしまうことが懸念されていました。
しかし、Web3.0においてはブロックチェーンを用いて、取引の参加者全員が同一の取引記録を分散して保持することから、データの改ざんなどがあった場合に発見しやすく、より高いセキュリティ下での取引が可能になります。
- 仮想通貨・NFTを活用できる
Web3.0は、仮想通貨(暗号資産)やNFTを活用できる点でも注目されています。仮想通貨は、オンライン上で取引しやすい資産として近年注目されています。
また、NFTは文章・画像・音楽・アートなどのデジタルコンテンツの所有者を証明できるようにしたものです。
- 国内外問わず、ユーザーが利用できる
ブロックチェーンの構造には国境や人種といった区別がなく、Web3.0で構築されたサービスは、国内外のあらゆるユーザーが利用できます。情報の機密性や匿名性を確保しつつ、国や人権に制限されずに、希望するサービスへ自由にアクセスが可能です。
- ユーザー同士が直接取引できる
従来のインターネットでは、中央管理者や仲介業者を通じて品物・サービス・金銭などを取引する必要がありました。
Web3.0をビジネスに活用すると、特定の仲介プラットフォームを介さずに、個人間の直接送金やデジタルコンテンツ販売などができるようになります。
Web3.0で大注目の技術やビジネス分野
Web3.0で注目されている技術
- NFT(非代替性トークン)
NFTとは、デジタルデータの所有権を明確化でき”代替不可能なトークン”を指します。NFTには固有のアドレスがそれぞれ割り当てられ、NFT情報や移動の記録は全てブロックチェーン上に記録されるため、偽造は困難です。
本物とコピーの区別がしやすくなるため、アート分野や金融分野での利用が進んでいます。
- DeFi(分散型金融)
DeFiは、ブロックチェーン上に構築された金融システムのことで、銀行や政府などの運営者を介さない非中央集権型であることが特徴です。
このシステムを利用するメリットには、ユーザー間で直接取引や管理を行えるため、従来は金融機関に支払っていた手数料や手続きの時間を抑えられる点が挙げられます。
また、取引の記録や承認は、事前に決められたルールに従う「スマートコントラクト」というプログラムで自動的に実行されます。
加えて、審査や口座開設などの手続きが不要で、居住地域を問われることなく自由に利用できるのもポイントです。
金融以外の分野では、DeFiをeラーニングサービスと連携し、学習履歴の内容に応じて金融サービスで優遇されるなどの取り組みも進められています。
ただし、利用者増加に伴う手数料の負担増加や、暗号資産の暴落による変動損失リスクがあることなどには注意が必要です。
- DAO(分散型自律組織)
DAOとは、従来の集団のようにトップ層が意思決定をするのではなく、参加者の投票(参加者証明にNFTや暗号資産が使われるケースもある)によって運営される組織のことを指します。代表者がいなくても組織は機能でき、参加者同士で意思決定を行うため、”分散型自律組織”とも呼ばれています。
ただし、意思決定に関わる参加者は、暗号資産の「ガバナンストークン」を保有しておかなければなりません。
ガバナンストークンは、組織への貢献度によって与えられるケースが多く、保有していれば意思決定における投票への参加が可能です。そして、参加者同士の意思に基づいて決定したルールは、先述のスマートコントラクトによって実行されます。
ブロックチェーンでは、あらゆるデータ(トークンやNFTの保有者・保有量・発行数・売買履歴など)を誰でもが閲覧できるため、組織の参加者や不参加者もソースコードを見てルールを確認することができます。このように、組織運営における透明性が高い点も特徴です。
- メタバース
メタバースは、ユーザー間のコミュニケーションやビジネスが可能な仮想現実空間のことです。現実空間のように行動できることが特徴で、クラウドの普及やブロックチェーン技術の発達などによって市場規模が拡大しています。
また、メタバースの導入が顕著なのは、ビジネス分野とゲーム分野です。例えば、ビジネス分野においては、以下でご紹介するような部分にメタバースの導入が進められています。
Web3.0で注目されているビジネス分野
- 金融分野
Web3.0と金融分野の組み合わせにより、従来の株式や保険といった業務形態から、暗号資産やNFTアート売買など、さまざまな投資の活性化が見込めます。
特に、これまでは金融機関に預けられなかったアート作品や高級車などの非金融資産も、投資対象になる可能性があります。
- 教育分野
Web3.0を教育分野へ活用すると、日本にいながらメタバースを介して海外の授業に参加したり、国際交流を図ったりといった活動が可能です。
また、ブロックチェーンによって記録データの改ざんが行えないため、学歴や研究データの透明性を確保できることもポイントといえます。
- 広告分野
広告分野では、検索エンジンなどで広告表示を選択すれば、NFTや暗号資産を報酬として受け取る仕組みに活用できます。
Web3.0のビジネスモデル事例と今後の課題
Web3.0を活用した企業のビジネスモデル事例
- 集英社のマンガをNFTとして販売する事業「 SHUEUSHA MANGA-ART HERITAGE」
『週刊少年ジャンプ』や『週刊プレイボーイ』など人気雑誌を刊行する株式会社集英社は、「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」という、漫画のカラー原稿をスキャン・撮影しNFTとして販売する取り組みを行なっています。
「マンガを、受け継がれていくべきアートに。」をビジョンに、アートブロックチェーン登録証を発行することによって、その記録を未来へ永続的に保存していきます。
ONE PIECEやイノサン、ベルサイユのばらなど集英社を代表する人気作品がアート&NFTとして取り扱われています。
- 「Revolut」のDeFiを使用した送金システム
ビジネスモデルの事例としては、イギリス発のデジタル銀行・海外送金サービス「Revolut(レボリュート)」が挙げられます。
Revolutは、世界中のどこからでもお金の受け取りや送金を簡単に行えるのが特徴で、ユーザー同士なら送金手数料もかかりません。
さらに、ユーザーは利用する機能の必要性に応じてプランを3種類から選べることから、ビジネスモデルとしての収益構造が確立されています。
- 「REALITYworld」のメタバース上での広告事業
REALITY株式会社が提供するメタバースプラットフォーム「REALITYworld」では、ワールド(メタバースのスペース)内に広告を掲載するサービスがあります。
メタバースでの広告であれば、静止画、動画、ポスター、3D建造広告など、様々な種類の広告に対応することができます。
また、メタバース上に企業のワールドを作ることで、ブランディングに活用することができます。
例えば、メタバース上の土地をNFTとして売買出来るサービスであるThe Sandbox内の土地に日本を想像させる街並み(Oasis TOKYO)を作り、商店街や美術館、ライブハウスなど様々なコンテンツを制作し、自社のブランディングを行っています。
- 阪神タイガースのNFT事業「Tigers Gallery」
日本のプロ野球球団である阪神タイガースは、選手カードや名場面シーン、試合シーンをNFTデジタルアイテムとして提供する「Tigers Gallery」を2022年6月より展開しています。
阪神タイガースのNFTを購入することで、自分だけのコレクションとして閲覧することが可能になります。
今後は商品ラインナップの拡大、ブロックチェーンを応用したサービスの展開、二次流通とサービスを展開していく予定です。
- 検索ブラウザ「Brave」の広告表示による暗号資産付与
Brave Software社が提供する「Brave」は、WebサイトやYouTubeの広告に対するブロック機能を搭載していますが、ユーザーが「広告を表示する」を選んだ場合は暗号資産「BAT(ベーシックアテンショントークン)」が貯まる仕組みを採用しています。
これは、ユーザーには広告を閲覧するメリットがあり、広告主には広告のマッチング率が向上するメリットがある、というWin -Winの仕組みとなっています。
Web3.0の今後の課題
上記のような事例が出始めているものの、Web3.0には課題があります。
- 暗号通貨(お金)を扱うため、詐欺師や犯罪者のターゲットになる可能性がある
- NFTバブル崩壊のリスクがある
- 日本の税制では暗号通貨の規制が厳しく、ライセンスが取得しにくい
2021年に大きく広まったNFTも現在では取引額が減っている事実もあり、「NFTバブル」の崩壊というリスクも考えられるため、ビジネスモデルやコミュニティにWeb3.0を取り入れる場合は、ユニークであることや持続可能性も加味することが大切です。
さらに、現状の日本の税制では、暗号通貨を取り扱うライセンスの取得が難しいことも見逃せません。
ライセンスの必要がないNFT以外の技術に関しては、日本で創業・起業するには依然向かい風が吹いている状況です。
Web3.0のビジネスモデルのまとめ
冒頭で述べた通り、Web3.0とは「ブロックチェーン技術を基にした新しいインターネット」であり、今までのWeb2.0と大きく異なるのは、非中央集権型のシステムであるということです。
Web3.0には、
- 高いセキュリティレベルで取引ができる
- 仮想通貨、NFTを活用できる
- 国内外問わず、かつ、ユーザー同士が直接やり取りできる
といった特徴があります。
具体的には、NFT・DeFi・DAO・メタバース等の技術が注目されており、既に海外を始めとして、金融・教育・広告業界で事業への実用化が始まっています。
また、Web3.0にはメリットだけでなく、課題もあることもしっかりと押さえておくことが重要です。
Enlytについて
Enlytは、ベトナムと日本のグローバルなチーム構成でありながら、アジャイル開発を50プロジェクト以上成功させています。アプリのスクラッチ開発はもちろん、LIFFやShopifyなど、今回ご紹介したWeb3.0の技術を用いた開発も行っていますので、何かお悩みがあればぜひご相談を!