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自治体の公式LINE、住民が開く理由はありますか?官民MEET広島で自治体の方と話して感じたこと

官民MEET広島2026の会場(広島国際会議場)

官民MEET広島2026の会場(広島国際会議場)

みなさん、こんにちは。Enlytの久保です。

10月30日、広島で開かれた「官民MEET広島2026」に参加してきました。自治体の担当者の方と直接お話しする中で、一番話が弾んだのが「ごみの出し方」の話だったんですよね。

住民の方から毎日のように届く問い合わせや、開いてもらえない公式LINE。担当者の方と話しながら、自治体のLINE活用で大事なのは「住民の方が自然に開く理由があるか」なんじゃないかなと考えていました。今回はその気づきを、当日の様子とあわせて整理してみます。

官民MEET広島で、自治体の方の声を直接聞いてきました

官民MEETは、内閣府の地方創生SDGs官民連携プラットフォームが主催する、自治体と民間事業者のマッチングイベントです。広島会場には約30の自治体がブースを出していて、僕もいくつものブースを回りながら、担当者の方とお話しさせていただきました。

会場の入り口

会場の入口

官民連携ってなんだろう?のパネル

「官民連携ってなんだろう?」のパネル

観光や移住、子育て、交通など、自治体ごとに取り組んでいるテーマはさまざまでした。その中でも、ごみの出し方の話になると、どのブースでも担当の方が「そうなんですよ」と身を乗り出してくださったのが印象に残っています。市民の方の毎日の困りごとを、担当の方がいかに大事に受け止めているかが伝わってきました。

一番話が弾んだのは「ごみの出し方」だった

事前に共有されていた各自治体の「お困りごと」を読むと、観光客を増やしたい、移住者を呼び込みたい、町の魅力を発信したいといったテーマが目立ちました。僕も最初は、地域の観光や回遊を支える仕組みの話を中心に準備していました。

ところが実際にブースで話してみると、担当者の方が身を乗り出してくださったのは、ごみの出し方の話でした。「これは何ごみ?」という問い合わせは、規模に関係なくどの自治体の窓口にも毎日届いています。ある自治体では、「棚」と「引き出し付きの棚」のように、似ているけれど扱いが違うものの区別が住民に伝わりにくい、というお話も伺いました。

表の課題と本当の関心

表の課題と本当の関心

こういう困りごとは、担当課の方が毎日の業務の中で肌で感じているものなんですよね。だから説明が短くても、すぐに自分ごととして伝わる。外向きには「人を呼ぶ」を掲げていても、担当者の方はまず市民の毎日を考えている。そのことを、会話の反応から改めて感じました。

公式LINEは「開く理由」があって初めて届く

多くの自治体がすでに公式LINEを持っています。ただ、友だち登録はされていても、住民の方が日常的に開いているかというと、そうではないケースも多いのではないでしょうか。お知らせを配信しても読まれにくい、というお悩みもよく耳にします。

ここで大事なのは、「友だちが何人いるか」よりも「住民が開く理由があるか」なのかなと思います。Enlytの支援現場でも、ユーザーに新しい習慣を求めない設計が成果につながってきました。たとえば宅配ロッカーの通知をLINEで完結させた案件(https://enlyt.co.jp/works/niceeze/)では、新しいアプリを入れてもらうのではなく、すでに毎日使っているLINEの中で完結させることを重視しました。オンデマンド交通の予約をLINEでもできるようにした案件(https://enlyt.co.jp/works/junpuzi/)でも、電話予約が8割を占めていた状況から、住民がふだん使っている手段の中に入口を置くことを大切にしています。

ごみの出し方も同じです。住民の方にとっては「わざわざ使う」ものではなく、「困ったときに自然に開く」もの。だからこそ、公式LINEを開く理由になりえるんですよね。

一例として、Enlytが提供している「ごみ分別AI」の画面を載せておきます。自治体の公式LINEの中で、捨てたいものを写真か名前で聞くと、キャップやラベルなど部位ごとに分別の区分が表示される仕組みです。アプリの導入や会員登録は要らず、公式LINEのメニューから1タップで開けます。福岡市で市民の方に使っていただく準備を進めているところです。

ごみ分別AIの画面。写真か名前で聞くと、部位ごとに分別区分が表示されます

ごみ分別AIの画面。写真か名前で聞くと、部位ごとに分別区分が表示されます

こういう「毎日の入口」が公式LINEの中にあると、防災や子育て、地域の催しなど、ほかのお知らせも同じ場所から届けやすくなります。ふだん使っているものがそのまま災害時にも役立つ、いわゆる「フェーズフリー」の考え方にもつながるのかなと思っています。

住民が開くきっかけが先、お知らせはその後

自治体の防災DXが「もしも専用」になってしまう理由 | フェーズフリーミート2026 視察メモ

(https://enlyt.co.jp/blog/phase-free-disaster-prevention-dx)

地域ごとに「届け方」は違う

ここまで「公式LINEを毎日の入口に」という話をしてきましたが、今回いくつかの自治体とお話しして、この考え方がそのまま当てはまらない地域もあることがわかりました。ここはむしろ、僕にとって一番の学びだったかもしれません。

提案の場面では、「日本ではほとんどの人がLINEを使っているので」という前提で話すことが多いと思います。でも、住民の年齢層が高い地域では、そもそもスマートフォンを使っていない方も少なくありません。ある町では、住民の方がスマートスピーカーに話しかけて行政サービスを使っている、というお話を伺いました。そういう地域では、「写真を撮って聞く」という操作そのものが壁になります。

もう一つ印象に残ったのは、独自の防災・行政アプリを持っている自治体のお話です。市のお知らせをそのアプリで配信していて、LINEの活用には慎重な考えをお持ちでした。これは良い悪いではなく、地域ごとのリテラシーや文化の違いだと思います。

住民の手段から届け方を考える · 3つの例

住民の手段から届け方を考える · 3つの例

だからこそ、「この仕組みをそのまま入れてください」ではなく、住民の方が実際にどう暮らしているか、すでにある仕組みをどう活かすかを伺うところから始める。その姿勢が、自治体と一緒に仕組みをつくる側には欠かせないのかなと感じています。

まとめ

今回の官民MEET広島で感じたのは、自治体が外向きに掲げる「人を呼ぶ」という課題の裏に、「市民の毎日の困りごとに応えたい」という強い関心があるということでした。そして、公式LINEは住民の方が開く理由があって初めて届く、ということです。

一方で、住民の年齢層やLINEとの距離感、すでにある仕組みは地域ごとに違います。どの地域にも同じ答えがあるわけではないからこそ、まずはその地域の住民の方が実際にどう暮らしているかを知るところから始めたいと思っています。

Enlytでは、ごみ分別AIをはじめ、自治体の公式LINEを住民の毎日の入口にするための仕組みづくりをお手伝いしています。「うちの地域だとどうなるだろう」と少しでも感じた方は、Enlyt 地域コネクトのページから気軽にご相談いただけるとうれしいです。

よくある質問

自治体の公式LINEを住民に使ってもらうには、何から始めればいいですか?

友だち数を増やす前に、住民が日常的に開く理由をつくることから始めるのがおすすめです。ごみの出し方の案内のように、住民が毎日のように迷うことに応える機能を入口に置くと、公式LINEを開く習慣が生まれやすくなります。

自治体が公式LINEを活用している事例にはどんなものがありますか?

ごみの出し方の案内、防災情報の配信、子育て支援の手続き案内、オンデマンド交通の予約などがあります。共通しているのは、住民がもともと持っている困りごとに応える機能が入口になっている点です。お知らせの配信だけだと開く理由が生まれにくく、友だち登録はされても日常的には開かれないという話を、担当者の方から複数うかがいました。

自治体のLINEチャットボットとは何ですか?

公式LINEのトーク画面で、住民の質問に自動で答える仕組みです。ごみの分別、ごみ収集日、手続きの窓口や必要書類などがよく扱われます。住民は新しいアプリを入れる必要がなく、ふだん使っているLINEの中で完結します。

ごみ分別AIとはどんなサービスですか?

Enlytが提供する自社プロダクトで、自治体の公式LINEの中で、捨てたいものの写真や名前から、ごみの分別区分を部位ごとに案内する仕組みです。新しいアプリを入れる必要がなく、日本語のほか10の外国語にも対応しています。福岡市が最初の導入自治体です。

高齢の住民が多い地域でも、LINE活用は有効ですか?

地域によります。スマートフォンを使っていない方が多い地域では、LINEを前提にした仕組みは届きにくいです。住民の方がふだん使っている手段を先に確認し、そこから届け方を考える必要があります。

すでに独自のアプリがある場合はどうすればいいですか?

置き換えるのではなく、今ある仕組みとどうつなげるかから考えるのがよいと思います。住民の方がすでに慣れている仕組みは、それ自体が大事な資産です。

官民MEETとはどんなイベントですか?

内閣府の地方創生SDGs官民連携プラットフォームが主催する、自治体と民間事業者のマッチングイベントです。自治体が地域のお困りごとを示し、民間事業者がブースを回って担当者と直接話をしながら、連携の可能性を探ります。

自治体でのLINE活用で迷ったら私たちEnlytエンライトにご相談ください!

LINEで何をしたいか、いまお使いのシステムとどうつなぐか、誰が運用するかを伺い、範囲と進め方を整理します。役立つアプリ・サービスを一緒に組み立てていきましょう。事例や会社紹介もぜひご覧いただき、お気軽にお問い合わせください。

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